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退屈しないが地味「15時17分パリ行き」 [映画・文学・音楽]

 今日はとくに予定もないので寒くても意を決して向島百花園に行こうと考えていました(以前は気楽に行けていた百花園も歳をとってくると、意を決する必要があるのです(^^;)。完璧に防寒してマスクもしてドアを開けたらものすごい寒風。これでは花もぶれぶれでうまく撮れません[バッド(下向き矢印)]。ということで即中止。明日の午前中は時間がとれそうなので、もし風が弱まっているようなら再チャレンジしたいと思います。

 今年最強の寒波(と言っていた気象予報士がいましたがまだひと月なので、「今年」ではなく「この冬」と言ったほうが適切なのでは)が来るようです。(^^;

「15時17分パリ行き」☆☆☆
 「タリス銃乱射事件」といわれる実話の映画化。
 2015年に高速鉄道内で起きたタリス銃乱射事件の映画化で「ハドソン川の奇跡」と「運び屋」の間の作品である。実際に体験した人物をその役に起用したということで話題になったが、どうなんだろうあまりヒットはしなかったようで、よかったのか悪かったのか内容に関する評判も聞こえてこない。私は監督クリント・イーストウッドのフアンなので、そうしたことは考えずに見た。90歳近くになっても次々と映画を作るイーストウッドのパワーには本当に頭が下がるが(第一、男がその歳まで生きるというのがなかなか難しい(^^;)、出来上がった映画は独立したものであり、そういった裏事情とは関係ない。いつものように、映画は映画で評価するつりで見てみた。

 ただこの手のテロというか列車乗っ取り事件の映画は、デンゼル・ワシントンの「サブウエイ123」やスティーブン・セガールの「暴走特急」など数多くあり、ハイジャック、シージャック、バスジャックなどまで広げたらそれこそ、腐るほどある。なんで今さらと思ったが、イーストウッドが監督した本作は、それらのアクション映画とはちょっと、いやかなりちがったものになっている。
 なぜなら、本作における列車テロは決してメインの話ではないからだ。
 列車テロの映画だと思って見始めると、約1時間半の映画で列車の話になるのは最後の25分からで、しかもテロリストとの闘いは10分もない。それも、組織的なテロではなく、1人だけで、主人公たちにすぐに制圧されてしまう。まちがいなく肩すかしをくらった気分になると思うし、テロの話がなかなか始まらないのでそれまでの1時間はひどく退屈するのではないかと思う。

 そうではなく、この映画は子どものころから知り合いの友人たちの物語であり、その人生の一幕としてたまたま列車テロがあったと考えるべきなのだ。そうした視点で見れば、子どものころの先生の忠告とかやりとりなど実に生き生きしていて楽しいし、おもしろい。その友情が青年になっても続いていて、テロリストとの闘いなど見事な連係プレーを見せる。そうしたところを楽しめれば、イーストウッド作品として最上ではないものの、退屈はせずに見ることができるはずだ。少なくとも私は、ふつうに見られた。
 ただ、予告編を見ると列車テロの映画として宣伝しているので、見た人は、なーんだと裏切られた気分になっただろう。まあ、地味な映画ということもあるが、あまりヒットしなかったのはそういったところにも問題があったのだろう。・・・なんて、雑文を書いていたらテレビで「リチャード・ジュエル」というイーストウッドが監督する新作のCMが流れていた。(^^;

↓予告編
https://www.youtube.com/watch?v=p_ty9Cju9oY
15時発.jpg
☆★は、尊敬する映画評論家・双葉十三郎さんの採点方法のパクリで、☆=20点、★=5点(☆☆☆が60点で「可」。合格というか、まあ許せるラインということです)

★カーク・ダグラス死去
 ウイリアム・ワイラー監督の「探偵物語 」、ビリー・ワイルダー監督の「地獄の英雄」をはじめ、「O.K.牧場の決闘」「ガンファィター」などの西部劇、「ユリシーズ 」「バイキング」などの歴史活劇、「海底二万哩 」「ファイナル・カウントダウン」といったSF映画など数々の話題作に出ていますが、やはり代表作は「スパルタカス」ですかね。合掌。
https://www.chunichi.co.jp/s/article/2020020601001044.html
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