SSブログ
映画・文学・音楽 ブログトップ
前の20件 | -

真夏のオリオン [映画・文学・音楽]

 先日、風邪でごろごしているとき暇潰しに見た。「沈黙の艦隊」が、突っ込みどころ満載ではあったものの意外とおもしろかったので、潜水艦つながりというか15年ほど前に作られそこそこ話題になった「真夏のオリオン」という映画を見てみてみたわけだ。
 潜水艦が舞台の映画というだけで何の前知識もなく見たのだが、メインのイ-77潜水艦の艦長を玉木宏が演じていたのでびっくり。「沈黙の艦隊」のタツナミのキリッとした艦長とは別人の、思いやりのある柔和な艦長なのでまたびっくり。まあ、こんなに優しい艦長いないだろうなあと思いながらもそれほどの違和感もなく、これはこれでありと思わせる演技で、私の中での玉木宏の株がまた上がった。
 話は戦争末期、出撃したイ-77潜水艦とアメリカの駆逐艦パーシバルとの激闘が軸だが、水雷長の益岡徹、機関長の吉田栄作なども悪くはなく、特撮イマイチながらなかなか見どころはあり、退屈せずに観ることが出来た。ただ、どう考えてもこの映画、本筋が私が潜水艦映画の最高傑作と考えている「眼下の敵」(ディック・パウエル監督、ロバート・ミッチャム、クルト・ユルゲンス)のイタダキなので、オリジナリティという点ではあまり高くは評価できないのが残念。「眼下の敵」を見ていない人なら、それなりの緊張感をもっておもしろく見られると思う。

IMG_5155.jpg
IMG_5158.jpg
nice!(5)  コメント(4) 
共通テーマ:日記・雑感

祝!アカデミー賞受賞\(^_^)/ [映画・文学・音楽]

 子どもが出て来るからといって、子供向きとは限らない(その逆もあり)。宮崎駿監督の「君たちはどう生きるか」がアカデミー長編アニメ賞を受賞しました。おめでとう\(^_^)/。
 ただ、この映画、宮崎監督が、これで最後かなと思いながら作りたいアニメを作ったというイメージで、子ども向けではないですね。もう少し歳のいった若者へのメッセージでしょう。お祝いにアオサギの写真(IHさん撮影)をアップしておきましょう。なぜアオサギの写真なのかわからない人は映画を見てください。
 それにしても、昔、「ルパン三世カリオストロの城」を見に行ったら劇場はがらがら。確かに、私のイメージしていたルパン三世とは違っていましたが話自体はおもしろくて、これはこれでありかな、と思った記憶があります。その時点で「宮崎駿」という名前を初めて知ったのですが(NHKの「未来少年コナン」は見ていなかった)、今のようなレジェンドとも言える存在になるとは思ってもいませんでした。

アオサギIH.jpg
nice!(4)  コメント(3) 
共通テーマ:日記・雑感

シクラメンのかほり [映画・文学・音楽]

 小椋圭の作詞・作曲で、布施明が唄ってヒットした「シクラメンのかほり」。せっかくの貰い物なので匂いをかいでみましたが、ほとんど匂わないですね。( >_< )
SG4A0943.jpg
 ・・・というようなことで、誕生月も終わり。

※2023年の映画興行成績ベスト10が発表されたので、貼っておきます。
邦画興行収入ランキングトップ10
THE FIRST SLAM DUNK 158.7億円
名探偵コナン 黒鉄の魚影 138.8億円
君たちはどう生きるか   88.4億円
キングダム 運命の炎   56.0億円
ゴジラー1.0       55.9億円
ミステリと言う勿れ    48.0億円
劇場版「TOKYO MER~走る救急救命室~」 45.3億円
映画ドラえもん のび太と空の理想郷  43.4億円
「鬼滅の刃」上弦集結、そして刀鍛冶の里へ 41.6億円
劇場版アイドリッシュセブン LIVE 4bit BEYOND THE PERiOD 29.2億円
洋画興行収入トップ10
ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー 140.2億円
ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE 54.3億円
アバター:ウェイ・オブ・ウォーター  43.1億円
ワイルド・スピード/ファイヤーブースト 38.3億円
リトル・マーメイド 34.0億円
マイ・エレメント  27.0億円
インディ・ジョーンズと運命のダイヤル 26.0億円
BTS:Yet To Come in Cinema  25.6億円
ホーンテッドマンション 21.7億円
MEG ザ・モンスターズ2 14.6億円
 ・・・アニメやシリーズ物、焼き直しなど、はっきり言って、おっさんが観たい映画はないですねえ。ま、ネットかテレビで放送されたら「君たちはどう生きるか」「ゴジラー1.0」「ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE」くらいは観るかもしれませんが、どうしても観たいというものでもないので、忙しければパスですね。(^^;
nice!(4)  コメント(4) 
共通テーマ:日記・雑感

さよならマエストロ~父と私のアパッシオナート~ [映画・文学・音楽]

 TBS日曜劇場の「さよならマエストロ~父と私のアパッシオナート~」を観ています。といっても、リアルタイムで観るのは難しいのでティーバーで。
 去年、門脇麦とんと田中圭さんを中心にした「リバーサルオーケストラ」というドラマがあり、潰れかけのオーケストラを建て直すというところは既視感なのですが、ともかく西島秀俊さんが素晴らしくいい。観ていて役者の力というものを感じさせてくれます。何より(私は、楽器は全くダメな人間なのですが)こういうオーケストラに入って一緒にやってみたいと思わせる自然な演技力が素晴らしい。
 以前から、ドラマの天才的指揮者というと上からの厳しい「指導」やエキセントリックな人物がほとんどで(事実、カラヤンやバーンスタインの練習風景を見るととんでもなく厳しいのだが)、それはそれで「アリ」としても、「音」を「楽」しむような指揮者がいてもいいのにと思っていたので、よけい好感がもてます。
 まだ第2回までですが、変な方向へいってしまうのではなく、いろいろあったにしても音楽は素晴らしいと思わせてくれるドラマになるよう期待しています♪。
↓タテハモドキ
タテハモドキ.jpg
nice!(4)  コメント(4) 
共通テーマ:日記・雑感

静かなクリスマス [映画・文学・音楽]

 クリスマスイヴの12/24はみなさん大騒ぎをするわけですが、クリスマス当日の12/25は静かなものです。無宗教で呑まない年寄りとしはクリスマスイヴだからといって、大騒ぎしなければならない義務はなく、昼間買い物2軒出かけただけで、おとなしくしていました。ともかく、寒い日は、のんびりが一番です。
P1050279.jpg

 とはいえ、ボーッとしているだけではますますボケが進んでしまうので、せっかくクリスマスということもあり、ニコラス・レイ監督「キング・オブ・キングス」を観てみました。キリストの一生を描いた70mmスペクタクル映画で、まあそれほどは退屈せずに観られる映画なんですが、ミクロス・ローザ(「ベン・ハー」「エル・シド」)の力強い音楽に映像が負けているため、せっかくの音楽が時として煩く思えるのが難点。主演のジェフリー・ハンターは青いコンタクトが印象に残るが、この人なら信じてついていこうというカリスマ性に欠けるなあ。
KOK.jpg
 その点、パゾリーニの「奇跡の丘」は、当時のキリストはこんな人物だったのかもしれないと思わせる、不思議なリアリティがある。映画の出来としても明らかにこちらのほうが上なのだが、観るのがちょっとシンドイ感じもあるので、今年はパス。
奇跡.jpg

※昨日は、競馬の有馬記念を観ていました。武豊とドゥデュース貫禄の優勝、おめでとうございます。今年の競馬は、世界一のレーティングを獲得したイクイノックスを中心に動いたわけですが、そのイクイノックスを去年のダービーで完封したのがドゥデュース。春の京都記念の強さを観ても、一度完調でイクイノックスと戦わせたかったと思わせる強さでした。
nice!(4)  コメント(3) 
共通テーマ:日記・雑感

藤沢周平「隠し剣シリーズ」 [映画・文学・音楽]

 「増税メガネ」→「増税クソメガネ」→「減税ウソメガネ」[がく~(落胆した顔)]

 この3連休・・・
金曜 完全休養日
土曜 インフルエンザワクチン接種。ここ2年ほど高齢者はタダだったんだけど、今年から2500円復活。「増税メガネ」は、こういうところは何の迷いもなく上げてくる。一般は4500円ということらしいが、高齢者タダ、一般2500円くらいでいいのでは(東京23区のうち11区は、後期高齢者のワクチン接種は無料です)。にしても、1時間以上待っての問診1分。またまた待たされて接種30秒。10時に出て近くの病院なのに帰ったのは12時過ぎでした。
日曜 パスポート受け取りに有楽町の交通会館まで。10年パスポートは16000円でその印紙を買うために長蛇の列。それですぐ受け取れるのかというと、部屋に入ってから病院並みの待ち時間。引き換えの紙を読むと、土曜日は休業だって。そりゃあ混むでしょう。

 そのほかでは、3連休を口実にブログ更新をサボり、空いている時間に藤沢周平の「隠し剣シリーズ」を読んでみた(再読)。
 藤沢周平は、基本的に短編作家で長編と言われているものも所謂「短編連作」のものが多い。要するに、短編作家なのだ。ブラッドベリなどもそうなのだが、短編作家が長編を書くと全体の見取り図・構成が弱いので何となく短編の水増しのようなつまらないものになってしまう(評判の高い「用心棒日月抄シリーズ」なども第1作の「用心棒日月抄」はおもしろい連作短編だったのに、「孤剣」「刺客」「凶刃」と長編色が強くなり、つまらないものになってしまった)。
 藤沢周平の連作物には、「用心棒日月抄」「彫師伊之助捕物覚え」「獄医立花登手控え」「よろずや平四郎活人剣」などあり、「用心棒(ただし第1作)」や「平四郎」などおもしろく読んだが、残念なことに全体を貫く柱というか謎が弱いので、どうなるのだろうと思いながら読み進むと、肩すかしをくらう。その点、「隠し剣シリーズ」は、純然たる短編集なので全体の枠組みなど気にすることなく、安心して?読める。「隠し剣シリーズ」の内容は以下の通り。
隠し剣・孤影抄
 邪剣竜尾返し
 臆病剣松風
 暗殺剣虎ノ眼
 必死剣鳥刺し
 隠し剣鬼の爪
 女人剣さざ波
 悲運剣芦刈り
 宿命剣鬼走り
隠し剣・秋風抄
 酒乱剣石割り
 汚名剣双燕
 女難剣雷切り
 陽狂剣かげろう
 偏屈剣蟇ノ舌
 好色剣流水
 暗黒剣千鳥
 孤立剣残月
 盲目剣谺返し
 「隠し剣」とはその流派に伝わり、選ばれた者にのみ口伝される、秘剣。とくに腹が立つような駄作はなく、そのあたりは職業作家としての力量が感じられる。買って損はない。「隠し剣鬼の爪」や「盲目剣谺返し」(「武士の一分」)などは映画にもなったので、知っている人も多いと思う。しかし、私の一推しは「臆病剣松風」。いかにも剣豪らしくない主人公が追いつめられて秘剣を繰り出すあたり、思わずニヤリとさせられる。もう1本となると「女人剣さざ波」か。凛とした女性は、カッコイイなあ。
周平.jpg
nice!(6)  コメント(4) 
共通テーマ:日記・雑感

TBSドラマベスト30 [映画・文学・音楽]

 金曜の夜にTBSで、自局のドラマベスト30というのをやっていた。何百人だったかに訊いた結果らしいのだが、まあ、こういう調査は新しいものほど上に来る。20前後の女の子が30年も40年も前のドラマを見ているわけがないからだ。「私は貝になりたい」なんて1958年だからね。私は何かの記念だったかで再放送されたときに見たが(それでも何10年か前)きっちりと作ってあり、しかも声高に叫ばなくても反戦の意図がストレートに伝わってくるいいドラマだった。トップが戦犯になった日テレでは逆立ちしても作れないドラマだろう。ただ、今どきの若者がこのドラマを見ているわけはないので、当然ベスト30に入ってくることはない。逆に直近のドラマは印象がまだ残っているので、これまた当然上位にランクされることになる。何が言いたいのかというと、おもしろかったか、おもしろくなかったかは自分で判断すればいい、ということだ。
 で、発表されたベスト30のうちのベスト10のみ書き写しておくと、
1 VIVANT
2 半沢直樹
3 JIN-仁-
4 逃げるは恥だが役に立つ
5 ドラゴン桜
6 Beautiful Life
7 下町ロケット
8 ROOKIES
9 TOKYO MER
10 テセウスの船
 私が完走したのは「VIVAN」「半沢直樹」「JIN-仁-」「TOKYO MER」。何話か見たのは「逃げるは恥だが役に立つ」「ドラゴン桜」「Beautiful Life」「下町ロケット」。見ていないのは「ROOKIES」「テセウスの船」。いやあ、けっこう暇人ですなあ。このベスト10の中から私が選ぶとしたら、やっぱり「JIN-仁-」かな。(^-^)
nice!(5)  コメント(4) 
共通テーマ:日記・雑感

2発屋監督マクティアナン(^^; [映画・文学・音楽]

 すでにブログに書いたが、老人性躓きで足腰を痛めてしまったので、3連休の最終日は、スポーツの日だというのに近くに買い物に出かけただけ。あとは家のパソコンで映画「プレデター」を観ていた。むさ苦しいマッチョばかりではと無理矢理登場させた女の扱いがちょっと不自然だが、文句なしにおもしろい。この「文句なしに」という点が重要で、体調の悪い時にいくら名画だといってもベルイマンの「野いちご」なんて見たら気が滅入ってしまう。
 「プレデター」は1987年の作品。ジャングルを舞台にシュワちゃんたちが謎の見えない敵プレデターと闘いを繰り広げるSFアクションのあの手この手。冒頭のゲリラ制圧でメンバーがいかに超一流かを示し、そのメンバーが歯が立たない相手とは・・・という展開もうまい。近代兵器だけに頼らない闘いぶりもおもしろく、敵に見つからないよう全身に泥を塗るなんてのは主役がマッチョ・シュワちゃんなので迫力も十分。すでに結末はわかっているのだが、十分におもしろい。
 満足ついでに、同じジョン・マクティアナン監督の「ダイハード」も続けて観てしまった。1988年の作品だが観たのは確かこちらのほうが先で、全く知らない監督だったので、ちょっと驚いた。ナカトミ・ビルというテロリストに占拠された空間を駆使し、事件をめぐる人間模様が実にうまいのだ。ブルース・ウィリスが演じるジョン・マクレーンがなぜ裸足なのかもうまく説明されているし、彼の妻がナカトミ・ビルにいるという設定が断然うまい。それまで携帯電話でしか話していなかったマクレーンとアル・パウエル警官(レジナルド・ベルジョンソン)とか、ひと目見ただけで、「あんたか」とわかる呼吸も見事。出色ののアクション映画だった。
 ジョン・マクティアナンは、2年連続で傑作を作り出したことになる。これはすごい監督が出てきたと当時思ったのだが、その後がどうもいけない。「レッド・オクトーバーを追え!」「ラスト・アクション・ヒーロー 」「ダイ・ハード3」と見てきたが。駄作ではないにしてももう1つパッとしないのだ。同じころ出てきたジェームズ・キャメロンが、その後、「ターミネーター2」(1991)、「タイタニック」(1997)、「アバター」(2009)と、話題作を連発しているのに比べると、寂しい限り。何だったかの罪で実刑をくらったというニュースを最後に、もう20年近く名前を聞いていない。このままでは「2発屋監督」で終わってしまうので、もう一踏ん張りしてほしいのだが。

マクティアナン.jpg
nice!(5)  コメント(5) 
共通テーマ:日記・雑感

7月期ドラマ、今と4年前と [映画・文学・音楽]

 7月期ドラマは、私には珍しく「VIVANT」完走。
 まあ、けっこう乱暴というか粗い所もあるドラマだったが、スケールも大きくておもしろかった。たとえば、政府の高官の弱みを握っていたとしても、たかだか警視庁公野崎外事第4課課長=阿部ちゃんに「日本を動かす」力があるとは思えないし、日本の公安が世界の諜報機関の中で最も公正な判断をするなんてのも大噓にしか思えない。「鶏群の一鶴」の意味を知っていた野崎が、日常でも比較的使われている「 眼光紙背に徹す」の意味をパソコンで調べているのも違和感がある。また、法治国家日本において、セクハラ事件多発の自衛隊(市民はまず自衛隊から身を守らなければならない)の組織「別班」に裁判も受けさせずに殺すようなことをさせていいのかなどいくつか疑問もある。
 が、舞台がバルカという架空の国なので日本も架空の日本ということで(「美しい日本」なんて最近は右翼でも言わないゾ)、ファンタジードラマとして観れば、まあいいということにしよう。キャストも二宮とブルーウォーカーの女の子以外の役者はみな役を体現した演技で違和感はない。
 薄っぺらい刑事ドラマ、医療ドラマ、恋愛ドラマばかりの昨今、マンガやライトノベル原作ではないこれくらいのオリジナルドラマが普通に作られるようなら、私ももう少しテレビを観る時間が増えるのではないかと思う。その他のドラマ2関しては、以下の通り。
 「転職の魔王様」は平凡な出来で小芝風花は前作「波よ聞いてくれ」のほうがドラマの出来としてはずっといい。それでも暇潰しにはなったので、まあ、マシか。池井戸原作の「ハヤブサ消防団」は発端は期待させたものの、怪しい奴が犯人で、さんざんやり尽くされたカルト宗教、終わったと思わせて実は、なんていうクソドラマ。「警部補ダイマジン」は話がどんどんめちゃくちゃになっていって、とりあえず終わってみましたというドラマ。「大富豪同心3」は、もともと筒井康隆「富豪刑事」のイタダキだが、筒井原作のようなトリックもなくて、ずるずるとワンアイデア。1クールでもたるいのに、3クールも作るな。「シッコウ!!〜私と犬と執行官」せっかくおもしろいところに目をつけたのに、展開がぐだぐだ。「量産型リコ2」は論外。ほとんどが電力のムダ遣いドラマばかりで、困ったものだ。
 
 ・・・というような話はともかく、パソコンの整理をしていたら、4年前の7月期ドラマのメモが出てきたので掲載しておく。もうそんなに前だったのかとおもうドラマもあるが、えっそんなドラマあったっけと思うドラマもけっこうあった。やはり、ボケがなせる業なのだろう。

「螢草 菜々の剣」
 NHK-BSドラマ、 ヒロインは清原果耶。朝ドラ「あさが来た」で「ふゆ」というけっこう重要な役をやっていた女優。現在進行形の朝ドラ「なつぞら」でもなつの妹役で出ていた。そういえば先日見た「マンゴーの樹の下で」というフィリピン戦線での日本女性をテーマにしたドラマでもヒロインをやっていたのでNHKのお気に入りなのかもしれない。父を切腹に追い込み、住み込み女中をしていた一家を壊滅させた轟平九郎なる悪人が出てきたので、最後は清原がこいつと対決することになるのだろう。にしても、この単純ストーリーで全7話はちょっと長すぎる気がする。ピンチになるとそれを待っていたように助けてくれる人物が次々と現れてくるのはも気になるといえば、気になるところだ

「これは経費で落ちません!」
 NHK金曜夜10時から放送される「ドラマ10」で、ヒロインの経理部員・森若沙名子に多部未華子(それにしても多部ちゃん、デビュー当時とずいぶんと顔が変わったなあ(^^;)。同僚の背の低い女優、どこかで見たことがあるなぁと思っていたら朝ドラ「ひよっこ」の米屋の娘・伊藤沙莉だった。多部がてきぱきと数字を片付けていくところなどなかなかおもしろいドラマになっている。今期一推しのドラマ。
 経理といえばサラリーマン時代、お盆に急遽沖縄出張が決まったが飛行機は満席。部長からファーストクラスをとってもいいという了解をもらいその旨注記して伝票を出したにもかかわらず、経理から呼び出しがかかって揉めたことがあったな(別にファーストクラスに拘ってはいないので席がとれるのなら経理のほうで明日までに席をとれ!と怒鳴ったら、経理部長が慌てて出てきてすぐにハンコを押した)。

「サイン 法医学者柚木貴志の事件」
 大森南朋が監察医を演じる。ほかに仲村トオル、木下ほうか、松雪泰子、飯豊まりえ。原作が韓国ドラマというのは別にいいのだが、かんじんの解剖で事件が解決するのでもなく人間関係とかあいかわらずの組織の闇ばかりが強調されるクズドラマ。昔の事件関係者4人全員が次々と殺されるなんて殺される方は用心しないのか。殺す方は疑われると思わないのか。思わないとしたら、馬鹿だ。しかも、主人公の大森までが掌返しで突然噓をつき、その結果2人が死んでしまう。アホか。深刻な顔してるがアホだからといって、許されることじゃないだろう。ほとんど殺人の共犯者じゃないか。

「監察医 朝顔」
 まだ新米(見習い?)の監察医万木朝顔に上野樹里。父親でベテラン刑事の万木平に時任三郎。第1話は底の浅いゴミのようなくだらない話だった。2話以降見ていない。亡くなった母親を含めて家族の絆のドラマのようだが、監察医ならではの見せ場はゼロ。監察医が活躍しないのなら監察医をヒロインにする必要などないと思うのだが。

「ボイス 110緊急指令室」
 これも韓国ドラマが原作。別に韓国であろうと中国であろうとどこの国の原作でもいいのだが、大げさなばかりで退屈な展開。これも第2話以降見ていない。

「TWO WEEKS」
 これまた韓国ドラマ。主役に三浦春馬のほか、芳根京子、比嘉愛未、黒木瞳、三浦貴大、高嶋政伸と役者は揃えているのだが、第1話途中で脱落。別に嫌韓ということはないのだが、インド映画で何の関係もなく踊りのシーンが出てきてイライラするように、どうも韓国ドラマのリズムは生理的に合わないのだろうか。

「時空探偵おゆう 大江戸科学捜査」
 ヒロイン(佐久間由衣)が押し入れを通って現代と江戸時代を行き来する、SF推理ドラマ。よくある設定と言ってしまえばそれまでで、いくらなんでもこのあとひとひねりあるのだろう。と思っていたら全くなかった(^^;。現代に戻って鑑定調査してくれる男が簡単に、これは江戸時代のものだ、江戸と現代を行き来しているのだろうと考えるなんて、あり得ないだろうそんなこと。このてのものは2時間のスペシャルドラマとしてやったほうがよかったと思う。

「警視庁ゼロ係」シーズン4
 主役は東大卒で公務員試験首席合格(自称)のキャリア警視、小早川冬彦(小泉孝太郎)。小泉の空気読めない軽さと毒舌、松下と安達の掛け合い対立などあいかわらずおもしろいのだが、今までのものと比べるとどうも深刻になりすぎてこのシリーズのよさを発揮できていない。

「ノーサイド・ゲーム」
 TBSの日曜劇場は、またまた池井戸ドラマ。池井戸ドラマには以前「ルーズベルト・ゲーム」という野球ドラマがあった。視聴率はそこそこよかったようだが、退屈なドラマだった。今度は、目先を変えてのラグビー。敵役は上川。池井戸ドラマなのでいずれ左遷された大泉の「倍返し」があるし、「宿敵」との試合には勝つのだろう。ただ、「半沢直樹」や「下町ロケット」などでもそうなのだが、痛めつけられて逆転するという単純な構図ばかりなので、こちらもかなり飽きてきている。4~5話程度が適当で、10話とかだといくら第1部、第2部などと分けたところで間延び感は否めない。池井戸ドラマは「花咲舞がだまってない」のように1話完結か、前後篇の2話完結のシリーズにしたほうがいいのではないのか。続けて見る気はしないので、最終回だけ見ることにしよう。

「ルパンの娘」
 ルパンの子孫・三雲華を深田恭子が演じるコメディ。母の小沢真珠、父の渡部篤郎、以下総てが泥棒の一家。華の恋人瀬戸康史の家は警察一家(藤岡弘怪演)。このキャストてやりたいのならフカキョンがもっと若い時にやるべきだったろう(「富豪刑事」はおもしろかった)。しかも、毎回似たような話で飽きた。こうなったらもう、Gカップとも言われるフカキョンが脱ぐしかないだろう。

「Heaven? ~ご苦楽レストラン~」
 ヒロインは石原さとみ、そのほか福士蒼汰、志尊淳、田口浩正、勝村政信、段田安則、岸部一徳ら。豪華なキャスティングだが、第1作で脱落。これほどギャグがすべりにすべっているドラマはあまり見たことがない。

「なつぞら」
 4月から放送されているNHKの連続テレビ小説(朝ドラ)。ヒロインは広瀬すず。当時の東映動画に関心があるので関連のところだけ見ている。これはどう見ても大田朱美さんなので宮崎駿らしき人物とくっつくのだろうと思っていたら大塚康生モデル(「ルパン三世カリオストロの城」「未来少年コナン」などの作画監督)とくっついてしまったのでびっくり。と思っていたらヒロイン(モデルは奥山玲子)が高畑勳モデルとくっついてしまったので、さらにびっくり。ヒロインは戦災孤児で亡き父の戦友に引きとられという設定に無理があり(実際のモデルといわれている奥山さんは東北大卒)、東京と北海道の実家との行き来もドラマとしてうまくいっていない。さらにヒロインの妹(またまた清原果耶)の話も中途半端。あれもこれもと手を出した結果、回収に汗だくになっている脚本は軸がぶれぶれで、はっきりいって落第点。結局、東映アニメが主舞台ではなくなったところで見るのを止めてしまった。
nice!(4)  コメント(6) 
共通テーマ:日記・雑感

8月はドラマ浸け [映画・文学・音楽]

 『山波』の作業も7月で終了。
 8月には墓参りを兼ねた旅行に出かけたが、ともかく暑いので買い物と整骨院以外は基本引き蘢りとなった。だからといって専門書を読んだりする気力はない。結果、テレビドラマを「これは、つまらんなあ」などと言いながらだらだらと見ることになる。典型的な後期高齢者の姿だ。

「Vivant 」 現在、リアルタイムで見ているのは、このドラマのみ。今さら「美しい我が国」なんて右翼ですら言わないと思うが、舞台が架空の国ということなので、日本も現実の日本ではなく架空の日本と考えて見ている。モンゴルでの砂漠のシーンでは、砂漠の感じがまるで「アラビアのロレンス」だなあと思って見ていたら、展開までまんま「アラビアのロレンス」になったのには、笑った。それにしても、阿部ちゃんの「圧」は、すごい。もうなんでもありなんだから、阿部ちゃんの部下のドラムの声をやっている林原めぐみさん(アニメ「エヴァンゲリオン」綾波レイなどの声優)も特別出演しちゃったらどうだろう。ただ1点、ニノはジャニとしては頑張っているのだが、やはり凄みに欠ける。ミスキャストだ。

 以下は、ティーバーでも×1.5倍速鑑賞。
「警部補ダイマジン」 暴力の限りをつくし殺人までする刑事が免職もされずに大活躍。ま、これは一種のファンタジーと考えるしかないが、政治の黒幕とかあまりにストーリーが薄すぎてリアリティーに欠ける。ファンタジーといえどもどこかに本当らしさがないとドラマはおもしろくならない。雑なシナリオのせいもあるが、夜11時代のドラマにしては生田斗真、向井理、土屋太鳳、高橋克典、松平健など豪華キャストのムダ遣いだった。加えて中途半端な終わり方は、続編を考えているのだろうか。アホか。

「大富豪同心3」 大金持ちのへたれが金の力で同心職についたのだがという展開。第1シリーズは設定のおもしろさで(といっても筒井康隆「富豪刑事」のパクリなのだが)なんとか見られたが、所詮ワンアイデアだけのドラマなので「2」はゴミで、この「3」はクソのような出来。あと、ヒロインの新川さんは回を追う毎に顔が丸くなってきて、この「3」では真ん丸。結婚して幸せなのはいいのだが、女優なのだから続けるのならもうすこし節制しなけれゃね。

「転職の魔王様」 小芝風花は、米倉の退社に合わせて売れ筋が次々と退社や休業しているオスカーをほとんど1人で支えている。前クール「波よ聞いてくれ」に続いて本作でもヒロイン、次クールでも「フェルマーの料理」に出るという。ドラマの出来は並みなのだが、ドラマの展開よりもそんなに働いて大丈夫なんかいと小芝の体調のほうが気になってしまう。

「ハヤブサ消防団」 「半沢直樹」「下町ロケット」の池井戸潤原作のミステリ。前半叩かれて後半反撃する「倍返し」パターンからの脱却を計りたかったのかもしれないが、池井戸はミステリを書くのに向いていないね。ミスマッチのように川口春奈が出ているので何でだろう♪と思っていたら、・・・怪しい新興宗教が・・・という使い古されて錆び錆びの展開は、あまりに古くさくて陳腐。もういいかげんに止めて欲しい。

「シッコウ!!〜私と犬と執行官」 裁判所の命令にのっとり強制執行を行う執行官のドラマ。裁判官や検事、弁護士やその事務官を主人公にしたドラマはよくあるが、執行官が主人公というのは珍しいと思って見てみた。「私」というのは犬好きの執行補助者・伊藤沙莉、犬嫌いの新人執行官に織田裕二。執行官というものがどんな仕事をするのか知らなかったので興味深いシーンもあるのだが、このドラマに犬いる?
 
「量産型リコ2」 平凡で「量産型」などと揶揄されていたOLのリコが、ふと立ち入ったプラモ店で「量産型ザク」のプラモを作り・・・という第1シリーズはけっこうおもしろかった。ところが、今回は企業化をめざしてという設定。目的もたずに会社に来ていて言われたことだけをやっている「量産型」という設定がおもしろかったのにそこがなくなってしまったため、馬鹿な若者たちが唐突にプラモを作るだけのゴミドラマになってしまった。最終回などわざとらしい中継アナウンスがうるさいだけで、これがおもしろいと考えているのならドラマ作りなど止めたほうがいい。

※NHKの大河と朝ドラは全く見ていません。

サンカクイ.jpg

※昨日、うちの奥様が曳舟に行く用事があり、喫茶ジローを見てきてくれたのですが、あいかわらずシャッターが降りたままだったそうです。明日は整骨院に行こうと思っているので、私もチェックして来ます。何事もなければいいのですが。
nice!(6)  コメント(4) 
共通テーマ:日記・雑感

『山波』203号(終刊号) [映画・文学・音楽]

 『山波』203号(終刊号)がドーンと送られて来ました。これが最後です。ちょっと寂しいような思いと、いい潮時だったかなという思いと、何だかホッとした不思議な思いを感じています。
 今までにない203ページの大冊です。届いた皆さん、いろいろ言いたいことはあるかと思いますが、最後ですから、しっかり読んでくださいね。(^^;
山波.jpg

※昨日は届いた『山波』をさっそく何人かに郵送・手渡しし、wildさんに代金を送金してきました。こういう作業もこれが最後だなと思うと、感慨深いものがあります。
nice!(6)  コメント(3) 
共通テーマ:日記・雑感

『山波』203号入稿完了 [映画・文学・音楽]

 眠りが浅いので、どうも朝調子が悪い。顔を洗い、パンを食べ、コーヒーを飲んでからしばらくボーッとしています。で、気がつけば窓の外から、ミーンミーンとセミの音。朝は必ずミンミンゼミで、これが暑くなってくるとアブラゼミの音が優勢になります。ちなみに、夕方のヒグラシは山里のセミなので、私の住んでいる地域にはいません。とりあえずパソコンを立ち上げ、大量のメールをチェックしたり(80%以上が広告か詐欺メール)、ニュース記事をボーッと読んだりしているうちにだんだん「正常」になってきます。何を言いたいのかというと、朝の9時前にメールをくれても無駄ですよ、ということ。

 『山波』203号、目次から口絵、本文、奥付などすべて印刷所に入稿しました。
 扉や口絵などはカウントしない、本文からノンブルをふる『山波』式カウントで203ページ(一般の雑誌でのノンブルのふりかただと209 ro 210ページ)。同人雑誌としては、立派なものだと思います。
 前にも書きましたが、普段100ページ前後のものを1000円(税・送料込み)で頒布しているので(私が係る前には60-70ページが普通)、終刊号ということもあり特別価格にしてもいいのではと思うのですが、代表のwildさんは「1000円で」と。こういうところは頑固で絶対に譲らない人です。当然、原価をオーバーしています。頒布数が増えれば増えるほど赤字になっちゃうわけですが、まあ最後だからいいか、と私もヤケクソです。
 問題は見た目よりも中身なのですが、書いた人にはそれぞれの思い入れがあるはずなので、このブログで他人の作品のことをとやかく言いたくはありません。少なくとも私自身のものに関しては、かなり力を入れて書きました、とだけ言っておきましょう(おもしろいかどうかは、また別の話(^^;)。

宣伝目次.jpg
IMG_0039.jpg
nice!(5)  コメント(4) 
共通テーマ:日記・雑感

難しい?(@_@;) [映画・文学・音楽]

 昨日は午前中に買い物に出かけた後は、自宅で『山波』の進行。
 今回、最終号だということで力を入れた「大作」を代表のところに送ったら、「わからん」という返事。まあ、もとの小説を読んでいないとわからないというか、難しいというか、興味もわかないだろうなあとは思います。まあ、読者を無視しているわけではありませんが、商業誌じゃないんでね、変更するつもりは全くなく、義務ではないのだから読まない人がいても問題ない、というスタンスでいきます。興味のある人だけ読んでくれれば、いいんじゃないでしょうか。(^_-)-☆
ツタ.jpg

※「量産型リコ」というドラマがあり、ティーバーで見ていました。何も目的がなく、ただ会社に来て与えられた仕事をこなし、あとは楽しくすごす若いOLがヒロイン。「機動戦士ガンダム」に出てくる、すぐ破壊されてしまうがいくらでも取り替えがきく量産型ザクからとったタイトルです。で、そのOLが裏道の模型店に偶然入ったことからプラモにはまり、プラモ製作をしていくうちに徐々に量産型ではない自分として自立していくというドラマで、なかなかおもしろく見られました。その2が始まったと言うので見てみたら、これが大凡作。そもそも、起業をめざすという時点で、量産型とはちがうだろうが。考えが甘々の設定にはしていますが、1の平々凡々のOLから外れているので、同じようにプラモを作ってもピントこない。ゴミドラマ量産型ですな。(▼▼メ)
nice!(5)  コメント(7) 
共通テーマ:日記・雑感

4月期テレビドラマ個人的感想 [映画・文学・音楽]

 昨日は、月曜とはうってかわって久々の上天気。昨日は土砂降りの中のがんセンター行きで疲れたので、整骨院に行って来ました(^^)/。今日は、夜に一件外出の予定がありますが、雨の心配はなさそうで、やれやれです。(^_-)-☆

 今年のGWは、出かけない日にはティーバーでいくつかのテレビドラマを見ていた。その感想MEMO。後期高齢者は、暇なのかな(^^;。個人的な感想の忘備録なので、関心のない人にはスルーをお薦めします。「それってパクリじゃないですか」と「わたしのお嫁くん」については、すでに書いたのでそれ以外。
https://animalvoice.blog.ss-blog.jp/2023-05-10
4月期ドラマ.jpg
★「TOKYO MER 隅田川ミッション」 劇場公開版前のSPだが、これが抜群におもしろかった。単なる前宣伝ドラマではなく、各人の見せ場もあり、迫力もあってこのまま劇場で公開しても満足できるレベル。連続ドラマもなかなかよかったが、今回のSPはとくにすばらしい。連続ドラマを見ていない人にも人間関係がわかるようなシナリオになっており、鈴木亮平、賀来 賢人、中条あやみ、菜々緒らのチームワークもよくとれている。場所移動があるがその都度どこなのか地図でわかるよう工夫されている。おもしろいので暇な後期高齢者は、2度見てしまったゾ。このドラマの主人公はもちろん鈴木亮平なのだが、今回のSPドラマに関しては、中条あやみさんが主人公でありヒロインだと言っていい。中条さん、ドラマの初めのころはおろおろでポンコツだったけど、いい医者になったねえ。結婚したおかげかな? それにしても伊藤ちびノリダーは、本当にポンコツぶりが似合うなあ。「ケイジとケンジ、時々ハンジ。」でもポンコツ署長だし、日本一のポンコツ俳優の称号を授けたい。おめでとう(^^;。
★「LAST MAN全盲搜查官」 福山雅治と大泉洋との相棒ぶりがなかなか乗りが良く、傑作というほどではないが退屈せずに見られる。福山は普通の人を演じると演技力不足が目立つが、「ガリレオ」なんかもそうだったがちょっと他人を見下したような役をやるとなかなかいい。ほかでは警察官を演じる今田美桜が溌剌としていていい。この人、「悪女(わる)」で完全に一皮むけたねえ。
★「波よ聞いてくれ」 まあ小芝風花のめちゃくちゃDJの滑舌・毒舌ぶりだけが見どころのドラマ。その「見どころ」はなかなかおもしろいのだが、話自体はつまらない。小芝さんにおんぶにだっこのドラマだが、それだけで10話とか引っ張るのは苦しいのでは。
★「弁護士ソドム」 「いい人」をやることが多い福士蒼汰が詐欺師を専門に弁護する弁護士というので見てみた。もちろんそれには裏があるわけだが、早々にその裏を暗示してしまっていいものだろうか。連続ドラマなのだから真相に進んで行くのは話半ばからのほうがと思うのだが。
★「風間公親―教場0―」 何をやってものキムタクドラマ。実はたいして演技力はないので、こういう無表情で口数の少ない役は意外と悪くない。ただ、今までの青春群像劇の「教場」ではなく、舞台は現実の社会。犯人のほとんどが殺人という重い犯罪なんだから、たとえ新人を育てる必要があるとはいえ、のんびり構えていないで、真相がわかっているのならキムタクはさっさと事件を解決すべきではないのか?
★「ペンディングトレイン」 つくばEXの車両が突然消えてしまい、乗っていた人たちが気がつけばそこは見知らぬ世界。正義感溢れる人間、優しい人間、小心者、自己中心の人間などの思惑が……というよくある話。ぐだぐだの人間関係模様はいいかげんうんざりで退屈する。せいぜい2回目の前半くらいまでだろう。予想外の出来事がないので3話の初めで見るのを止めた。
★「ケイジとケンジ、時々ハンジ。」 東出昌大の出ていた前シリーズはつまらなかったが、今シリーズは検事の北村有起哉と判事の吉瀬美智子さんのやりとりがおもしろくてつい見てしまう。北村は、うまいなあ。磯村や比嘉さんも好演なので、もう少し本筋の話がおもしろいといいのだが。私の高校の後輩の(もちろん会ったこともない)岡崎紗絵さんも出ているよー。(^-^)
★「勝利の方程式」 かつて天才子役と言われて今は弁護士の志田未来さんが風間の台本通りに法廷弁護をして勝つというのが基本ストーリー。志田さん自身が天才子役だったので台本をさくっと覚えて演じられるという説得力はある。ただ、毎回のように過去に風間の恋人が通り魔に殺されてというカットが入って来るのはウザインボルト。
★「合理的にあり得ない」 弁護士資格をなくした天海祐希が型破りの探偵として活躍するドラマだが、何だか天海ドラマは何を見てもよくある話のようで、既視感満載。つき合っている時間はないので2話以降は脱落。
★「Dr.チョコレート」 お子ちゃまが天才的外科医なんて、手塚まんが「ブラックジャック」のピノ子が手術するようなもの。あまりに設定にリアリティがなく、話自体も退屈で1話途中で脱落。坂口のムダ遣い。小手先の変化球は、そもそも電波のムダ遣いでもある。
★「unknown」 吸血鬼がとか、もういいかげんに飽きた。これも1話途中で脱落。これまた高畑、田中といった人気どころのムダ遣い。そして、電波のムダ遣い。無能行政が節電なんて言っていたが、忖度テレビ局は放送を休止して節電に協力したらどうか。

※おまけ※「レジェンド&バタフライ」 ついでにキムタク映画も見てみた。多分、キムタクフアンはこのドラマの舞台での戦国大名の集合離散がもう1つよくわからないのではないだろうか。しかしし、最後は本能寺で亡くなるということくらいはわかっているので、ハッピーエンドではない。キムタク様が死ぬと考えると二の足を踏むと思う。映画の出来自体散漫だが、興行成績がイマイチなのはそとういったこも理由になっているのではないかと思う。綾瀬のほうがキムタクより断然カッコいいのもキムタク映画としてはフアンは不満だろう。むしろキムタク映画としてではなく、濃姫役の綾瀬はるかをヒロインとして前面に押し出した映画にしたほうがよかったのではないのか。どうせ半分ファンタジーなんだから、ラスト本能寺でキムタクが死ぬというところを綾瀬が助け、2人して夢の実現に向け海の彼方の異国に旅立って行くというのはどうだろうか?
nice!(4)  コメント(4) 
共通テーマ:日記・雑感

1月期ドラマ総決算 [映画・文学・音楽]

 1月期ドラマもそろそろ終わり。総括としては、今期は不作でした。リアルタイムで見たものはなく、ほぼティーバーでの鑑賞。最近はどうもおもしろいドラマがないような気がする(と、もう何年も言っているような気がします(^^;)。歳のせいで新しいドラマについていけないだけなのかもしれないのだが、まあ、いわゆる「個人の感想です」。いずれにしても、ナンダカンダといいながらあれこれドラマを見ている老人はやっぱ生産性のない暇人なんでしょう?
※調子に乗ってつい書き過ぎちゃいました。単なる忘備録ですので、読んで得するものは何もありません。忙しい人はスルーしてください。(^^;
名称未設定 1.jpg
★合格
「リバーサル・オーケストラ」
 1月期ドラマは、これ一択。門脇麦が演じる天才バイオリニスト谷岡初音がヒロイン。回を追うごとに各役者が本当に演奏しているように見え始めたのは俳優陣の努力だろう。とくに門脇の幼なじみのバイオリニスト永山絢斗君がいい味出している。名作「砂の器」の加藤剛など、どう見ても演奏しているようには見えなかったもんなあ。役者がいいとドラマは締まる。
 第4話で秘書が田中圭に人間関係を説明している途中でパッと場面が変わり自宅で初音の妹が楽団の人に秘書の説明引き継いで話しているシーンや、第7話で初音が永山との握手のためにさっと手袋を脱ぐシーンなど場面切り替えや役者の動作などよく考えられているとてもいい演出だ。
 ただ、シナリオの問題なのだが音楽で押していくのではなく、なんだかありきたりの恋愛とか政治家の勢力争いなどがが入って来て邪魔くさいのは減点で、ドラマをつまらなくしている。それと座席数1029で来客数1024なので満席ではなかった残念という話になってしまっているが、劇場側は何かあったときのために必ず数席は空けておくという話を以前音楽に詳しい友人に聞いたことがあるのだが。最終回もわざとのようなバタバタがあってめんどくさい。演目がチャイコフスキーの5番というのもマイナーな曲なのでどうなんだろう。ドヴォルザークの交響曲第8番第3楽章あたりならバイオリンの聞かせどころ(泣かせどころ)があってヒロインの輝きも増したと思うのだが。
https://www.youtube.com/watch?v=RLMe7WwVORI
(ドラマに使われている曲は、シベリウス「フィンランディア」、グリーク「ペールギュント」そしてドヴォルザーク「交響曲第9番新世界より」なので「ドボ8」なら繋がりも悪くないと思う)
 というような不満はあっても、お手軽安物ドラマばかりの中で、しっかり人数もそろえ、音楽会会場に人もいれてきちんとドラマを作ったことは(それほど視聴率はとれなかったようだが)評価されてよい。
以下蛇足。複数のオケがそれも異なる曲を演奏して優劣をつけるなんてまあ普通はあり得ない。ドラマだからと納得しても、観客はそれほどクラシックを聴いている人たちには見えないので、チャイ5よりポピュラーなベートーヴェンの3番「英雄」に投票するのではと思う。そのあたりシナリオにもうひと工夫欲しかった。
どうでもいいことなのだが、知り合いとこのドラマの話をしていたら、「オケなのにピアノがないですね」と言われた。知り合いは貧乏オケなのでピアノがないと思ったようなのだが、そもそもオケには普通ピアノは参加しないんだよ(ピアノ協奏曲などは別)。
蛇足の蛇足。これもどうでもいいことなんだけどこのドラマのライターは間違いなくテイタム・オニール主演の「がんばれ!ベアーズ」を参考にしてるね。野球のポンコツチームに出来る女の子と出来る監督が参加してメンバーもやる気になり勝てるチームになるという全体構造は全く同じ。しかも、「ベアーズ」全編を通して流される「カルメン序曲」をこのドラマでも第6話で演奏しているのだから、これはもう確信犯だろう。
「100万回言えばよかった」
 合格は1本だけと思っていたが、ドラマの最終回を見てギリ滑り込み。設定は映画「ゴースト」のパターン。このてのパクリパターンは映画のヒット以降続々と作られたので、またかと思ったが、井上真央、佐藤健、松山ケンイチという取り合わせに興味をもって見始めた。予想通り3人ともなかなかの好演なのだが、佐藤健はまあいつも通りのタケルくんとして、井上真央と松山ケンイチがとてもいい。2人がこんなにちゃんと演技ができる俳優とは、彼らの出ているドラマをほとんど見ていない私には、目から鱗。「オーケストラ」同様、役者がきちんと演技できているとドラマが絞まる。ただ、残念なことに話が冗漫。要するに、設定(ネタバレしないように書いている)からの話を引っ張り過ぎ。全10話ではなく6話くらいにすればいいのに・・・と思っていたら、ラストで思いもよらぬ展開。なぜそうなのかのわかりやすい合理的な説明がないため、ある恋愛評論家(そんな評論家がいるとは知らなかった)は最終回の展開にダメ出しをしていた。この評論家、恋愛には詳しいのかもしれないがドラマの文法は全然わかっていないねえ。第9話のラスト前にベッドに寝ている真央ちゃんがこんなことをつぶやいている。「毎朝、目が覚めるたびに思う。全部夢だったらいいのに」そして、目覚めると、という展開になっていることを思い出してほしい。要するに、最終回の出来事はすべて真央ちゃんの夢、目覚めるところから始まる夢と考えるのが自然。願望の夢の中なのだから、最終回は彼女が望んでいた方向にすべてが進んで行く。そして、健くんから「愛している」という言葉も聞けたのだ。夢オチなんて野暮な種明かしをしないのもいい。望んでいた言葉を聞けたのだから、真央ちゃんは目覚めてもきっと元気に残りの人生を生きていくだろう。私は、健くんが消えた後砂浜を1人歩いて行く真央ちゃんに思わず「がんばれよ」と声を掛けたくなったほどだ。途中ちょっとダレたが、この最終回だけで合格ラインに達した。やっぱり、物語のラストって大切なんだなあと思わせるとともに、人生はその一瞬一瞬が欠けがいのない大切なものなのだと教えてくれるドラマだった。

★ボーダー(途中で脱落or中抜け)
「Get Ready!」
 手塚治虫の傑作マンガ「ブラックジャック」的な話かと思いちょっと期待して第1話を見たら驚くほど現実感のない退屈なドラマだった。メンバーが蛍光仮面で登場してくる場面など、まんがとかアニメならあり得る設定だが、実写ドラマではリアリティを損なっていてアホらしくなってしまう。シナリオの段階で根本的な勘違いがあるのではないのか。「日曜劇場」は「JIN-仁-」「半沢直樹」「東京MER」など年寄りも見られるおもしろいドラマを放送してきたTBSの看板ドラマ枠なのだが、このところどうも見たいと思える作品がない。変に若者に迎合しないほうがいい。
「女神(テミス)の教室」
 法科大学院の学生と元裁判官教師(北川景子)の話だが、実務演習は学部のゼミでもドラマよりもっと突っ込んだことをやっている。なぜその条文があるのか何を想定しているのか議論の中で深く考えていくのなら法学だが、これでは道徳教室だ。ドラマでは数か月経っているはずなのに進歩が全く感じられないし、あれでは司法試験などおぼつかない。
(追記・最終回を見たが1年後の話になっているのにその雰囲気がまるでない。このドラマがダメなのはシナリオだけでなく、時間の経過を表せない演出がポンコツのせいも大いにあることがわかった)
 要するにリアリティがないのだ。さらに、後半は犯罪がからんできて違う話になってしまう。いったい何を描きたかったのか意味不明。あと、教授室だが半世紀以上前に私がゼミなどで知っている教授室より4倍以上広いけど、最近の教授室ってあんなに広いの?
「警视厅アウトサイダー」
 深刻な部分とコメディとかうまく混ざり合っていない。事件の裏に政治家とか警察上層部が関係しているなんて話はもう何十回とあったので、「またか」という感じがしてしまう。しかも、裏に隠された事件というのが女がらみのアホのようなもので、そんなことで(と言ったら問題があるかもしれないがドラマの整合性として)人が殺されたり殺されそうになったりする。それでは視聴者は消化不良のままで納得出来ない。西島、濱田、上白石、片岡、斉藤と役者をそろえたのに無駄遣いも甚だしい。
「忍者に結婚は難しい」
 映画「Mr.&Mrs. スミス」の忍者版。このての設定には飽きたし、ストーリーも平板。もともとが荒唐無稽の話なんだから、もうひと工夫もふた工夫もしないと、ドラマとして成立しないだろう。最終回はWBC準々決勝の裏になったため視聴率は2.8%と記録的惨敗。ただ、初回の7.0%が最高で前々回4.8%、前回3.5%と順調に視聴率を下げているので、私同様、つまらないと止めてしまった人が多かったのだろう。

★失格(第1回の冒頭だけ見て脱落)
「ハマる男に蹴りたい女」
「ブラッシュアップライフ」
「リエゾン」
★全く見ていない
「大病院占拠」「スタンドUPスタート」「星降る夜に」「夕暮れに、手をつなぐ」「罠の戦争」「今夜すきやきだよ」「6秒間の軌跡」「ダ・カーポしませんか?」「来世ではちゃんとします3」「しょうもない僕らの恋愛論」「アカイリンゴ」「ブルーバースデー」「相棒18」「「舞いあがれ!(朝ドラ)」「どうする家康(大河)」等々。
nice!(6)  コメント(4) 
共通テーマ:日記・雑感

「わが道の達人」水木しげる [映画・文学・音楽]

 新刊のまんがを読まなくなってもう何十年にもなるが、かつては私もふつうにまんが少年、まんが青年だった。「少年」の手塚治虫「鉄腕アトム」、横山光輝「鉄人28号」など夢中になって読んだ。従兄弟が「野球少年」(だったと思う)を買っていて寺田ヒロオ「スポーツマン猿飛佐助」もお気に入りだった。小学校のとき「少年サンデー」「少年マガジン」という週刊誌が創刊され、私は小遣いの中から「少年サンデー」を買うようになった。手塚治虫「スリル博士」、藤子不二雄「海の王子」、寺田ヒロオ「スポーツマン金太郎」あたりがお気に入りで、それに比べて「少年マガジン」のほうはパッとしなかった。併せて読んでいたのは貸本まんがで、白土三平の忍者物、水木しげるの妖怪物はあれば必ず借りて読んでいた。その後、「ガロ」「COM」「漫画アクション」「ビッグコミック」「少年チャンピオン」などいい歳になっても読んでいて、今、思い出しても困った人間だったなあと思う。
 そんなまんが人間のベスト3は、白土三平「忍者武芸帳」、水木しげる「河童の三平」、手塚治虫「火の鳥」で、もう何十年も変わっていない(新しい漫画を読んでいないため(^^;)。

 そんな人間が本屋で「『わが道の達人』水木しげる」という本を見つけたら、もう買うしかない。まあ、本といっても、NHKで放送されている「100分で名著」の150ページの薄い本である。記事は、
釈徹宗「のんのんばあ」「のんのんばあとオレ」
中条省平「墓場鬼太郎」「ゲゲゲの鬼太郎」
ヤマザキマリ「ラバウル戦記」「総員玉砕せよ!」
佐野史郎「悪魔くん」「河童の三平」
 の4本。結論から言うと、内容は薄い。もちろん自分と水木まんがとの出会いなどの体験から入るのはいいのだが、そこからさらに切り込んでいってくれないと、貸本時代から読んできた人間としては、つい金を払ってまで読む必要があるのかと文句のひとつも言いたくなってしまう。
 4本の中で、そこそこおもしろかったのは宗教者としての立場から、地域の伝承と地域宗教に切り込んだ釈原稿くらいのものか。ヤマザキさんなどは絵の描ける人なんだから、詳しくもない戦争の話をするより、水木まんがにおける独特の絵について語ってもらいたかった。たとえば、圧倒的な存在感をもつ点描の背景とそこに登場する希薄な人物たち、また点描というのは距離をおいて見ればある形をとるが近づいていけばいくほど輪郭はぼやけやがては白地に点があるだけという記号に解消してしまうのだが、そのあたりのことも聞きたかったと思う。ブリューゲルの「バベルの塔」など西洋の名画を自分の物語に巧みに取り入れているあたりはヤマザキさんの得意分野ではないかと思うのだが、残念ながら言及はなかった。
 いずれにしても、まあこんなものかという感じの本だが、この物価高のご時世に1100円の本に多くを求めてはいけない。
 水木さんが亡くなったときなどブログに雑文を書いていますので、興味のある奇特な方はごらん下さい。
https://animalvoice.blog.ss-blog.jp/2015-12-02

水木しげる.jpg

202号広告170.jpg
nice!(5)  コメント(6) 
共通テーマ:日記・雑感

『山波』202号入稿しました\(^_^)/ [映画・文学・音楽]

 かなりばたばたしましたが、『山波』202号、無事印刷所に送ることができました。会員の皆様、読者の皆様、今しばらくお待ちください。
202号ぶろぐ広告170.jpg
nice!(5)  コメント(4) 
共通テーマ:日記・雑感

目を澄ませて「ケイコ 目を澄ませて」を観る [映画・文学・音楽]

 昨日は午前中に出かけ、午後に帰ってひと休憩(少し動いたらそのあとひと休憩するのが最近の習慣になっいる)。カメラやスマホの写真をパソコンに取り込み整理。その後、休憩も兼ねて「ケイコ 目を澄ませて」という映画を観た。

 感想の前に。「耳を澄ます」という言葉はよく聞くのだが、「目を澄ます」という言葉はあまり見たことがない。まあ、耳からの連想で考えると、集中してじっと見る、目を凝らすというような意味なんだろう。そんなことを想像しながら、目を澄ませて観た。
 三宅唱という監督は以前Netflixのホラードラマを少し観ただけで(途中で脱落。題名も忘れた)よく知らない。聴覚障害で両耳とも聞こえないヒロイン・ケイコに岸井ゆきの。この人、ともかくちっちゃい。以前、「99.9-刑事専門弁護士」でとんでも演歌歌手を演じていたが、小さいイメージのある杉咲花よりもさらにちっちゃいので驚いたことがある。「パンドラの果実」の天才科学者役はさすがにミスキャストだったが、本作ではプロボクサーとして上を目指しながらも日々の生活に悩む女性をリアリティーをもって演じている。とくにちょっと狂気すら感じさせる目の演技は素晴らしい。素晴らしいといえば、ジムの会長を演じた三浦友和、これがまた素晴らしい。若いころは動きが鈍重で大根だと思っていたのだが、歳をとってその鈍重さがいい味になっている。こういう誠実なおじさん役をやったら今やこの人がナンバー・ワンなのかもしれない。
 最近のテレビドラマは目や耳、声など何かしら肉体的に不自由な、あるいは精神的な発達障害ヒロインが大流行り。内容も様々だが障害者ものはそれをあざとく利用しようという製作者の企みが見え隠れすることが多いので私はあまり好きではないのだが、本作はそうした変に奇をてらって持ち上げたりするところもなく、社会の中で生きていく姿を少しだけはらはらしながら最後まで退屈せずに観ることができた。ヒロインが喫茶店で友だちと手話で話をするシーンなど字幕はないのだが、3人の動作・表情でなんとなく話の内容がわかるところなどよく考えられている。年寄りも観られる映画は、昨今では絶滅危惧種なのでこういうきちんと作られている映画は貴重である。もちろん注文が全くないわけではないが、このレベルなら十分に合格だ。
 ただ、(後で知ったのだが)これが2022年のキネマ旬報第1位作品ですと言われると、えっ?というのも事実である。まあ、キネマ旬報のベスト10なんてものはたいして信用していないのだが、これが最高位で、この上はないですよと言われると、「それでいいのか?」と感じてしまうわけだ。もっとも、では何が1位なんだと言われるとベスト10では他には「ハケンアニメ!」くらいしか観ていないので何も思い浮かばない。「ハケンアニメ!」より「ケイコ」のほうが出来がいいのは間違いないので、この2作の対比に関しては異論はない。それでも、本作が1位になるようでは、やはり他の関係者はいったい何やってるんだと言いたくなる。この上にあと数本はあるような状況じゃないと映画界あかんでしょうが。
ケイコ 目を澄ませて.jpg

※映画のベスト10がなぜバカバカしいものになってしまうのかは、以前のブログ記事を参照してください。書きたい放題に書いています。
https://animalvoice.blog.ss-blog.jp/2020-09-07
nice!(7)  コメント(5) 
共通テーマ:日記・雑感

劇場版「アキラとあきら」はドラマの劣化版 [映画・文学・音楽]

 今日は夕方から雨(雪?)になるという予報です。昼にIHさんと食事をする予定なんですが、今の時期年寄りが風邪をひくと大変なことに。防寒とマスクは当然のこととして、降り出す前には帰って来ようと思っています。(^-^)

画像.jpg
 「半沢直樹」「下町ロケット」などの原作で有名な池井戸潤原作の「アキラとあきら」がWOWOWでドラマ化(全9話)され放送されたのは5年ほど前。池井戸ドラマの怒鳴り合いがあまり好きではないのだが、このドラマはそういったところもほとんどなく、出演者も好演でおもしろく見られた。
 それが、昨年、映画化されたので見てみた。
 結論から言って、ドラマ版を見れば十分というか、見る必要もない映画だった。
 同じWOWOWの製作なのだが、そもそも映画の配役のほうがオチルたぁどういうことだ。石丸が同じ役で出ているのはご愛嬌だが、かんじんの主役2人がダメダメ。横浜は冷徹だが冷静さを欠くチンピラ、竹内はがんばっているが知性が感じられない。向井理と斎藤工の2人の主役がそれぞれの生い立ちを窺わせるピッタリの好演だっただけに、主役を比べたこの時点で勝敗は明らか。
 9時間の話を2時間にするわけだからいくつかの話をカットするのはわかるが、主人公の性格付けもドラマ版とは違う味を出したいと考えたのだろうが、うまくいっているとは思えない。ドラマは向井5.5、斉藤4.5くらいの比率で描かれておりW主役というのに異論はないが、映画は横浜3、竹内7なので明らかに竹内が主役。W主演だからこそ生きる「アキラとあきら」というタイトルにも合っていない。
 女も出さなければということで水島カンナという役は映画にも引き継がれたのだが、ドラマ版では意味があったが映画版ではこの女性の存在意義がほとんどない。せっかくの上白石萌歌の無駄使いだ。存在感がないといえば、ドラマの弟役の賀来賢人が兄に対するコンプレックスなどうまく出していて好演なのに対し、映画の髙橋は、そんなのいたっけ?という感じだ。
 終盤、買取先の役員で出てくる沢渡役の上川は口調といい目線の動きといいきびきびしており、いかにも大会社の買取可否の責任者だと思わせる名演技だったが、映画版では印象の薄い凡庸な役で役者の名前もわからなかったし(脇役でよく見る顔なんだが名前を思い出せない。ボケです)、退屈しながら見たせいかなぜ一旦ダメだった契約がOKになったのかもよくわからなかった。
 部長の不動役は確かに江口のほうが有名だが、単なる体育系にしか見えない江口に銀行の本部長が務まるとは思えない。いかにも銀行の実務畑を歩んで来たと思わせる利重には及ばない。せめて「魔が差した」の名文句くらいは引き継ぎたかったと思うのだが、江口の台詞と考えると不自然なので断念したのだろうか。
 要するにキャスト、ストーリー共に映画版「アキラとあきら」は凡庸、ドラマの劣化版。
 見るならドラマ版を見るべし。
 ただし、向井の叔父(向井の父の弟)役の木下ほうかがいろいろあったので、地上波での視聴はまず不可能。思い出したがテレビから消えたTKOの木下も出ていたしね。コンビのもう片方の木本も問題を起こしたし、こういうことで放送がダメになるのはなんとかならないものか。現状では、Hulu、U-NEXT、Paravi、AmazonPrimeなどのネット配信で見るかDVDを購入するしかない。

役名    テレビ   映画
階堂彬   向井理   横浜流星
山崎瑛   斎藤工   竹内涼真
階堂龍馬  賀来賢人 髙橋海人
階堂一磨  石丸幹二  石丸幹二
山崎孝造  松重豊  杉本哲太
水島カンナ 瀧本美織  上白石萌歌
羽根田一雄 永島敏行  奥田瑛二
不動公康  利重剛 江口洋介
沢渡裕行  上川隆也 ?

※JUNKOさんのブログを見るとテレビで放送されている映画を「オイオイ声をあげて泣きながら見」ていたとのこと。1/25のことと思われるが実話に基づく邦画とはいったいどんな映画だったのだろう?と、気になる。→JUNKOさんからのコメントを読むと、どうやら私の推測が当たったようです。気になる人は、コメント欄をごらんください。
nice!(8)  コメント(7) 
共通テーマ:日記・雑感

「第9」の季節到来 [映画・文学・音楽]

 テレビで「第9」関連の放送が始まると、ああいよいよ年末なんだなあ、という想いになります。
 ベートーヴェン作曲の「交響曲 第9番 ニ短調」が年末とどういう関係にあるのか、私にはよくわかりませんが、海外でも同じように年末に「第9」が演奏されていることを考えると、世界的な現象なんでしょう。かつてベルリンの壁崩壊後の東西ドイツの統一を記念して行われた演奏会で演奏されたのも「第9」でした。確かにこの曲を聴くと、何か生きる希望を与えてくれるような気がするので、新年を迎えるにあたっての曲として適したものなのかもしれません。(^-^)
※ベルリンの壁崩壊東西ドイツの統一の記念演奏 指揮・レナード・バーンスタイン バイエルン放送交響楽団 ニューヨーク・フィルハーモニー交響楽団 ロンドン交響楽団 パリ管弦楽団 ドレスデン国立歌劇場管弦楽団 レニングラード・キーロフ劇場管弦楽団
https://www.youtube.com/watch?v=ZrzsBnNaIng

 私が初めて「第9」のレコードを買ったのは高校生のときで、アルトゥール・ローターという人が指揮した「第9」(オーケストラは覚えていません)でした。理由は、簡単。この当時の「第9」のLPレコードは2枚組で各面に各楽章が振り分けられているものでたいてい3000円〜4000円。ところがローター盤はなんと1枚でしかもバーゲンのコーナーにあって定価1800円が1000円だったのです。1枚盤だと第3楽章が途中で切れてしまうという大きな問題があったのですが、貧乏高校生にとっては演奏云々より安さこそ魅力だったのです。その後、カラヤンとかいろいろな指揮者のものを聴くようになると、あまり心に響かないイマイチの演奏であったことは確かですが、全曲を通しで聴けたことは大きな収穫でした。
 さて、なんだかんだでカラヤン+ベルリン・フィルを初めカール・ベーム、クラウディオ・アバド、リッカルド・ムーテー、ダニエル・バレンボイム、小澤征爾・・・などいろいろな指揮者、オーケストラの「第9」をFMやLD、DVD、テレビ、ネットで聴いてきたわけですが、私としてはバーンスタイン ウイーン・フィルのものがいちばん心に響きました。
 レナード・バーンスタインはミュージカル「ウエストサイド物語」の作曲者として有名ですが、ニューヨーク・フィルの指揮をしていたころはちょっと荒い感じがしたものです(逆にストラビンスキー「春の祭典」などはその荒さが生命の躍動感を感じさせて悪くなかったのですが。←個人の感想です)。それが、歴史あるウイーン・フィルとコラボすることによって両者のいいところが出て名演奏になったのではと勝手に想像しています。
 NHK交響楽団の常任指揮者だった故・岩城宏之は名指揮者になるための2大条件として(もちろん冗談半分ですが)「ユダヤ人であることと同性愛者であること」と書いていますがバーンスタインはそのどちらも満たしていた(ユダヤ系アメリカ人)わけです(^^;。
 暇を持て余している方、元気を与えて欲しい方はこの暮れにぜひ下のURLから名演奏をお聴きください。
指揮・レナード・バーンスタイン ウイーン・フィルハーモニー 合唱団
https://www.youtube.com/watch?v=6A8DNUTNEOc&list=PLieHb3jcJGZQr4s5s6R7We0pfuqCjbdCV&index=6
第9.jpg
 全曲聴いた後は、「ウエストサイド・シンフォニックダンス」でも聴いてクールダウンしましょう。(^^;
https://www.youtube.com/watch?v=X8qM1ZCoQls

※まあ、「第9」はやはりドイツ人じゃなければなんて民族主義の人はこちらを(ベートーヴェンは全人類に向けてこの曲を書いているんですけどねえ。ま、いいか)。
指揮・ヴィルヘルム・フルトヴェングラー 1951年7月29日 バイロイト祝祭劇場
https://www.youtube.com/watch?v=lOdvFGpflJY
nice!(5)  コメント(4) 
共通テーマ:日記・雑感
前の20件 | - 映画・文学・音楽 ブログトップ