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喫煙者のバイブル?「さよならくちびる」 [映画・文学・音楽]

「さよならくちびる」☆☆★★★

 男女3人の相手に対する想いがうまくマッチングしないまま旅を続ける映画というと、私の世代だとまず浮かぶのが、ロベール・アンリコ監督、アラン・ドロン、リノ・ヴァンチェラ、ジョアンナ・シムカス(後の「夜の大捜査線」シドニー・ポアチエ夫人)の「冒険者たち」。
 私は、アラン・ドロンの代表作はまちがいなく「太陽がいっぱい」だと思っていたのだが、まだ名古屋にいたころ知り合いのSYさんから「『太陽がいっぱい』よりいいかも」と言われて、毎日地下劇場に見に行った。平日の昼間ということもあって客の入りは半分程度。ストーリーだけ追っていくとけっこう行き当たりばったりで「ンナ阿呆な」と言いたくなるようなものなのだが、そこは映像の詩人と言われたアンリコ監督、いいなぁ・・・と思わせるシーンが山盛りで、心に残る。ラストなど、この後、リノ・ヴァンチェラはどうやって生きていくのだろうと心配になったほどだ。
 以来、この映画は私の「アラン・ドロンの2大名作」になった。と同時にこの映画、映画関係者にはかなりの影響を与えたようで、後に、「明日に向かって撃て」など男2人女1人の映画を見ると、どうしてもこの「冒険者たち」を連想してしまうほどだ。

 この「さよならくちびる」は、女2人男1人のロードムービー。解散することになった女性2人のギターデュオ「ハルレオ」(ハル=門脇麦、レオ=小松菜奈)がマネージャー(成田凌)の運転する車で全国を旅する物語だ。情弱故、こんなふにゃらららタイトルの映画があることなど全然しらなかったが、骨子はやっぱ「冒険者たち」だなあ。とはいえ、だから見たわけではない。見てみようかと思ったきっかけは、ネットに、そこそこおもしろく見られたが(女性)2人がやたらタバコを吸うのが興ざめだったという書き込みを見たからだ。
 おおっ、禁煙ヒステリーの嵐が吹き荒れる今の時代に、門脇、小松が喫煙だってえ。そりゃあ、もう見るしかないではないか。(^^)/
 いやあ、期待を裏切りませんなあ。とくに門脇麦さん、完全にヘビースモーカーです888。ま、話としてはよくあるパターンで、ちょっとした行き違いがだんだん大きくなり解散決定。3人の恋愛矢印はいずれも堂々巡りで交わることがない。ところが、解散が近づくにつれて・・・。2人とも頑張って唄っているが、設定では歌メインの小松さんより門脇さんのほうがややうまいかな。うまいといえば、2人の女性の間で苦労する成田君(周防監督「カツベン」、ドラマ「逃げ恥」のボーイズラブ青年、「アリバイ崩し」のジュニア)がなかなかにうまく、リアリティもある。ちょっと見直した[グッド(上向き矢印)]
 いずれにしても、今のこのご時世に喫煙シーン[喫煙]をきちんと描いたというだけで、喫煙者には感涙もの。文句なしに★1つ進呈したい。よくやった[わーい(嬉しい顔)]
くちびる.jpg
↓予告編
https://www.youtube.com/watch?v=PUIhm75fN5s

☆★は、尊敬する映画評論家・双葉十三郎さんの採点方法のパクリで、☆=20点、★=5点(☆☆☆が60点で「可」。合格というか、まあ許せるラインということです)

★かねてから噂はあったのですが、オリンパスのカメラ部門売却ですか。オリンパスはフィルム一眼レフの時代にもOMシリーズ終了という「事件」があったので危惧はしていましたが、会社として赤字続きのカメラ部門に見切りをつけたのでしょう。一眼レフAF化一番乗りで一時はトップシェアを誇っていたミノルタはソニーに、私が買った初めての一眼レフであるペンタックスはリコーに拾われました。私が初めて買った35mmカメラのヤシカは、コンタックスとなりさらに京セラに吸収されましたが京セラがカメラ部門撤退で、消滅。オリンパスはどこか拾ってくれるのでしょうか。同じm4/3グループのパナソニックが拾ってくれてm4/3を充実させてくれるといいのですが、ファンド経由で中国企業に買い取られるということも十分に考えられます。
https://www.olympus.co.jp/ir/data/announcement/2020/contents/ir00012.pdf
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