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見るべし「JIN-仁-」の再放送 [映画・文学・音楽]

 それにしても昨日のコロナによる岡江久美子死去のニュースには驚きました。合掌。
https://www.asahi.com/articles/ASN4R5F2MN4RUCVL01W.html?iref=comtop_8_02
 にもかかわらず、怪しげなおっさんのツアーで大分に旅行したとして問題になっているご夫人がこの後、宮崎にも行っていたという疑惑が[がく~(落胆した顔)]
https://togetter.com/li/1497938
 まあ、いくら何でも単なる噂だと思うのですが、もし本当ならこの人ちょっと頭おかしいかも。それにしてもです、奥さんのトンデモ行動を止められない安倍ちゃまにコロナを止めることは不可能かと。

民間なら商品に不具合が見つかったら回収は当たり前のことです。政府の、まあ大量に作ったら多少の不良品も出るだろう、なぁんて言っている菅は、民間企業なら解雇までいかなくてね、まちがいなく更迭・左遷ですゾ。
https://www.asahi.com/articles/ASN4S32MTN4SOIPE002.html?iref=comtop_8_07

 私が全シリーズ全話リアルタイムで見ていたテレビドラマ「JIN-仁-」が「JIN-仁- レジェンド」として編集されTBS系列で6回にわたって再放送される(2回はすでに放送済)。10年以上前に製作されたドラマだが、とても感動的な傑作ドラマだ。前半に当時の江戸で流行ったコレラをどう防ぎ、どう治療するのかという部分が、現在のコロナの状況とオーバーラップするのが再放送のきっかけになったのだろうか(このドラマを見ると、安倍内閣の無能無策ぶりをいやでも実感せざるを得ない)。
 しかし、それだけではない。危機管理とは何なのか、医者の使命とは、そして生きることとは生きる意味とはをいやでも考えさせられるドラマでもある。まだ2回しか放送されていないが2回とも視聴率が11%を超えたとか。私は15%を超えたと言われても全然驚かない。関西、東海地方では再放送されていないようだが、なぜなのか理由は不明。このドラマに勝るような素晴らしい番組があったので独自放送になったとはとても思えない。関係者はバカか。
4月18日(土)14:00~16:54
4月19日(日)14:00~17:00
4月25日(土)14:00~16:54
4月26日(日)14:00~17:00
5月2日(土)14:00~16:54
5月3日(日)14:00~17:00
 私は、この10年の間に母と弟を失くしているので、最終回で勝海舟役の小日向の言う「生きてるってのは、ありがてぇな」と言う言葉が本当に身に沁みた。未見の人は、まだ間に合う。見るべし。安倍とその周辺も見るといいのだが、見ないだろうなぁ(ま、見ても理解できないかも(^^;)。
 こういうドラマを見ると、まちがいなく元気が出る。以下に当時書いた感想雑文を再録しておく。ただし、個人的MEMOなので、ネタバレも平気で書いてある。推理小説の犯人が書かれているようなものなので、見逃し部分を参考程度に読むだけにしておいたほうがいいかもしれない。


TBS「JIN-仁-」徒然日記
「JIN-仁-」01.jpg
 TBS「日曜劇場」の「JIN-仁-」を毎週見ていた。連続ドラマを見るのは実に久しぶりのことで、このドラマも全く期待していなかった。が、遠い昔SF少年だったこともあり、ほほうタイムスリップ物かと第1回を見たら、これがなかなかおもしろい。
 タイムスリップ、あるいはタイムトラベル物は有名なところでは自衛隊が戦国時代に行く半村良の「戦国自衛隊」、あるいは薬剤師が江戸時代に行く「大江戸神仙伝」(これは確か昔ドラマになったはず)などSFのテーマとしては別に珍しいものではない。題名は忘れたが、現代人がタイムスリップしてレオナルド・ダビンチになるという海外SFもあった。ただ、「向こうの世界」へ行くまではおもしろかったものの行った後はぐだぐただった「スターゲイト」に代表されるように行った先の話がかったるくで、ぐだぐだになってしまうことが多いテーマでもある。要するに行った後の展開がきちんと作られているのかどうかが勝負の分かれ目なのだ。その意味では、成功したドラマだと思う(ただし、終わり方には大いに疑問がある。「最終回」の感想をごらんいただきたい)。以下は、放送の翌日あたりに書き留めておいたMEMOで、例によって採点は適当である。

★2009.10.12 第1話 ☆☆☆★★★
 日曜劇場「JIN-仁」は、このところダメダメTBSにしては珍しく気合いの入ったドラマだった。今後どうなるのかはわからないが、とりあえず第1回の出来は、大量宣伝で有名人をずらりと並べたキムタクの「Mr.Brain」よりははるかにいい出来だったと言える。まあ視聴率はおそらく「Mr.Brain」の方がいいと思われるし、テレビ局にとって視聴率がスポンサー獲得のための大きな武器であることはわかるのだが、視聴者にとって視聴率やスポンサーの意向などどうでもいいことなのだ。その番組を見て満足できたのかどうかが重要なのである。「Mr.Brain」では爆笑問題の田中や所長の大地さん、ヤンキーの木下などなんでいるんだろう??というような扱いだった。キムタクばかりが目立つように作られていて、その他の人物がきちんと描かれていない。要するにドラマの態をなしていないのだ。ラストの番宣を兼ねた香取の登場に至っては苦笑するほかない(にもかかわらず、香取の「こち亀」は大コケ。いくら宣伝したところで内容が伴っていなければ視聴率もどんどん下がっていくんだなぁ……)。
 その点、今回の「JIN-仁」は、大沢たかお、綾瀬はるか(「Mr.Brain」にも出ていて中途半端な役どころだったが、今回はいい役をもらった)、中谷美紀、桐谷健太、麻生祐未、内野聖陽、そして名前は知らないが母親を助けてもらう子役の少年ら、ラストにちょっと出てきたら金八先生に見えてやや違和感のあった武田鉄矢をのぞき、いずれも好演。ほとんどの人物像がクリアに描かれ、存在感があった。つまり、一部のタレント人気に頼るのではなく、ドラマとして自立しているのだ。演出+脚本+キャスティングがうまくできているという実はドラマとしては当たり前の勝利と言えるだろう。原作は村上もとかのマンガでまだ未完だということなのだが、この人には、出だしはおもしろかったのに引っ張りすぎて収集がつかなくなりぐだぐだになってしまった「龍-RON-」のような作品もある。原作の「JIN-仁」はまだ延々と続いていくようだが、ドラマはあまり引っ張らずに独自の展開でうまく締めくくってくれれば、久々におっさんも楽しめるいいドラマになるのではと期待したい。

★2009.10.19 第2話 ☆☆☆☆
 仕事の関係もあってテレビの連続ドラマはほとんど見ないのだが、TBS(名古屋だとCBC、大阪だと……知らん(^^;)の夜9時からの日曜劇場「JIN-仁」を見ている。今回は、第2話。だいたい第1回はどのドラマも気合いが入っているものだが、その反動で第2話でガクッと調子を落とすものが多い(「こち亀」「バチスタ」のように第1回目からダメダメなのは論外)。
 第2話は、コレラ騒動を中心に話は展開するが、第1回のテンションをきちんと維持できていて合格。今回は坂本 龍馬役の内野聖陽、武家娘・橘咲役の綾瀬はるかの演技がとくに光った。まあ内野はこれくらいできて当たり前だとは思うのだが、迫力があってかつ人なつこい龍馬のイメージを実にうまく演じており、こういう人物なら自然と人も集まってくるだろうなあという気にさせるところなど、さすがである。対して綾瀬はるかだが、サイボーグ(「ぼくの彼女はサイボーグ」)や座頭市(「ICHI」)、おっぱい先生(「おっぱいバレー」)など変な役ばかりやっている女優がこれほどきっちり演技できるとは思ってもみなかった。
「医者が人を助けていけない道理とは、どのようなものでございますか」
 なんていう台詞も武家娘らしくきちんとメリハリを付けて言えていて、座布団1枚。顎とおっぱいだけの人じゃないんですね(^^;。前回くさした武田鉄矢もときどき金八先生になってしまうものの、ラストで実にいい感じ出していた。うーん、もうけ役もらっちゃいましたねえ。
 前回にも書いたが、久々にジャニーズとかの人気タレントやいわゆるイケメン俳優に頼らない、ドラマそのものを見せるドラマといえる。シナリオがあってそれに適した役者をキャスティングできているのだ。繰り返しになるが考えてこれば、これ当たり前のことなのだ。が、昨今のドラマはまずジャニーズ系人気アイドルのキャスティングありきで内容は適当なものがほとんど。視聴率的にはヒットしたキムタク主演の「Mr.Brain」も内容は空っぽだった。このテンションでラストまでうまくいってくれればいいが、と思いつつ来週もまた見てみましょう。

★2009.10.26 第3話 ☆☆☆★★
 さて、第3回だが、今回はコレラから次のステップへのつなぎ。ほとんど綾瀬はるかが主人公と言っていい。内股の付け根の静脈云々のところの表情など実にうまくて笑える。今週も座布団1枚。ただ、全体に少し力みすぎたというか、悲壮感を出しすぎた感がないでもない。内野はあいかわらずうまいが、今回注目したのは麻生(綾瀬の母親)と小日向(勝海舟)。麻生は今こういうちょっときついがただきついだけではなく奥行きのあるおばさんやらせたらピカイチかもしれない。小日向はもうちょっと裏があるというか勝海舟なんだから得体の知れないところがあってもいいのではとも思うが、意外にもなかなかの好演。枝豆少年もあいかわらずうまい。
 個人的には点滴の場面が秀逸。点滴経験者から見ると点滴の針の確保はけっこう難しい。下手な医者だと何度も刺し直したり、液がもれて大変なことになる(どちらも経験済み(^^;)。一度お手本を見ただけの綾瀬はるかがうまくできるとはとても思えないのだが、ま、そこはドラマ=フィクションということで。大沢が点滴の器具を作ろうと金八に「ゴム管は?」「あります」「こういうものは(点滴の針)は作れますか?」「簪職人に……」というあたりのやりとりは、けっこうワクワクした。こういうところがタイムスリップというか時間SFの醍醐味だろう。
 これで導入部と最初の事件は一応ケリがついたわけだから、さて来週からどんな展開になるのか。ただ、感動シーンは嫌いではないがさすがに今回のように力みかえったシーンばかりが続くと感動も薄らぎ、こちらも歳なので疲れてくる。もう少し軽やかに息ができるような展開があってもいいと思うのだが。来週の予告を見ると、龍馬も本格的に動き出すようだし、いままでの局地戦からもう少し広い世界への展開に期待したい。

★2009.11.01 第4話 ☆☆☆★★★
 第3話から数か月後?が舞台。第3話に登場した人物(枝豆少年など)のその後についても冒頭で簡単に説明され、物語は起承転結の起が終わり、承に入ったことがわかる。
 今回はいよいよ花魁の野風(中谷美紀の二役)と出会うというのが最大の売り。が、その前に大沢の医学講義の場面が久々に明るくいくらかコメディタッチもあってホッと一息つける。第2話のラストでもうけ役だった武田が今回もわずかの登場で場をさらっている。「特別出演」とあるが、金八先生が生徒役というだけでもう笑える。何度も言うようだが、武田君、こんないい役はそうそうはないぞ。第3話も悪い出来ではないのだが、やはりあの重苦しいタッチが毎週続いたらちょっと辛い。明日からまた仕事が始まるという日曜の夜なのだから、少しは今回のような息抜きもほしい。内野龍馬(あいかわらずいい味出している)に連れられて吉原に来てしまった大沢が主の六平(悪党面なのだがこれまたいい味出しているなぁ)の頭の手術をするのだが、演出も手術場面はもう手慣れたものでうまく緊迫感を出している。若い頃からきつーいイメージのあった水沢あきは女将となって怖さが倍増した。顔も声も本当に怖いぞー。そして、お待たせしました。といっても私は別に待っていたわけではないが、江戸時代の中谷美紀さんいよいよ登場。目の小じわがちょっと気になるものの演技はきちんとできていて、あまり色気はないものの毅然としたしゃべり方、立ち居振る舞いで花形花魁・野風の雰囲気をよく出している。ストレスのたまる仕事なのでしわが増えたのだろうと好意的に解釈しよう。ただし、野風の回想シーンはちょっと長すぎ。野風が主の六平を助けて欲しいという理由付けで回想シーンが必要だったのだろうが、視聴者は野風の生い立ちなんぞにはあまり関心はないわけで(少なくとも私は全く関心がない)、ここは話を中断しないためにももう少しさらりと流してよかったのではと思う。うまいと思ったのは、綾瀬が大沢の写真(現代の中谷と大沢が一緒に写っている)を見てしまい、その後で野風の中谷を見て驚くというシーンなど、うまく伏線が生きた。
 その他では、第1回を見たとき、武田と同様ミスキャストかなあと思った小日向のおっさんが、勝海舟の役でいい味出していた。訂正しておきたい。

★2009.11.08 第5話 ☆☆☆★★★
 今回のメインテーマはペニシリン。梅毒で死にそうな花魁・高岡早紀を救うためにペニシリンを作るわけだが、ともかく作る過程がおもしろい。本当にこんなんで出来るのかどうかは知らないが、いかにもそれらしいのでまたまたしっかり見てしまった。作ったサンプルの薬効があった、という場面などなかなかの盛り上がりをみせる。ガッツポーズを見せる者もいたが、まあドラマだからいいとしよう。これで高岡が助かってしまったらいくらなんでもちょっと都合がよすぎるぞ、と思っていたが(以下、ネタばれ)そういうこともなく死に際もうまくまとめられていた。それにしても高岡はこんな役、よく引き受けたなぁ。回想シーンで花魁道中の場面が少しだけあるが、梅毒でできものいっぱいのままほとんど寝ているだけ。仕事がないんだろうか。ただ、演技は意外ときちんとできていたし、「……おさらばえ」は名台詞だったけどね。
 花魁・中谷さんは可もなく不可もなくといったところだが(現代シーンでの、若い医学生の役はさすがにちょっと苦しかった(^^;)、このドラマのプロデューサー、ディレクターって、明らかに綾瀬はるかが好きというか、お気に入りだねー。サイボーグ(正確にはアンドロイド)や座頭市の役などもこなしているのだから、若手女優としては演技力はあるほうなのだろうが、それにしても毎回かっこいいシーン多すぎ。かっこいい台詞多すぎ。
 少し展開が早いかなという気がしないでもないが、梅毒のシーンも放送時間(午後9時から)を考えてあまりえげつなくならないよううまく表現されており、十分に納得の出来にはある。が☆☆☆☆ではなく★一つ少なくしたのは、このドラマで最もお気に入りの内野龍馬の出番が少なかったため。やっぱり内野龍馬が出てこないと、もう一つ話が外に向かって広がらない。予告編を見ると来週はけっこう出番がありそうで、今から期待している。
(一つ大きな問題が。このドラマは毎回DVDレコーダーのHDDに録画してリアルタイムに見た後何日かおいて見直しているのだがうまく録画できているのかどうか確認してみたら、なんと砂の嵐。先日、レコーダーがうまく起動してくれないのでリセットしたら入力関係もリセットされてしまい、チューナーと接続されていなかったようなのだ。げっ、と言ってももう遅い。ショックだ……。(;_;))

★2009.11.15 第6話 ☆☆☆☆
 いよいよ「JIN-仁-」も後半戦。というか、全11回だとしたらちょうど折り返し点。野風・中谷の出番というか、からみも増えてきた。中谷美紀はちょっと老けて見えるのが難点だが、きちんと花魁には見え(と言う私は花魁というものを知らないが(^^;)、今回はいい見せ場も用意してもらっていた。もっとも、スタッフお気に入りと私が勝手に決めつけている咲・綾瀬はるかはそれを上回る見せ場を用意されていたので、どうしてもそっちのほうが印象には残ってしまう(「ICHI」で共演した仲なんだから、ああいう助け方ではなく、いきなり綾瀬が仕込み杖を抜いて……、なんてことはない(^^;)。また、どうして仁・大沢の場所を知っていたのかという疑問もあるが、そのあたりの説明をしようとすると絶対に話のスピード感が落ちてしまう。あちこち探して偶然間に合ったということにしておこう。
 佐分利・桐谷は初めてというくらい見せ場を作ってもらったのだが、ちょっと力み過ぎ。「ROOKIES」のときの癖がまだ抜けないのかな。第1回を見たときちょっとけなした武田は今回もいい味出していた。というか、今回の設定の半分は金八先生の延長。やっばり餅は餅屋。この人に説教をやらしたら臭いんだけれど妙な説得力があり、ついうなずいてしまう。内野龍馬については呆れるほどの存在感なのでもう何も言うことはない。すばらしい。人物関係がいろいろ錯綜した回だったが、交通整理もそれなりについていて合格。むしろ平成22年の10円硬貨の出現など、ここにきてまた謎を増やして大丈夫かと心配になるくらいのものである。中だるみどころかますます面白くなってきた。
 ただ1点、気になったこと。野風・中谷がぼんやりと考え込んでいる手前に鉢植えのタンポポが咲いている。この場面は夜だと思うのだが、タンポポの花は夜はしぼんでいるはず。これは私が仕事でタンポポの昼夜の写真が必要になり、自分で定点撮影したことがあるのでまちがいない。まあドラマの本筋からは離れた部分だが、ちょっとだけ残念。

★2009.11.22 第7話 ☆☆☆★★★
 知り合いに「JIN-仁-」のまんがを読んでいる人がいて、全体にはまんがにのっとっているが、第1話の現代の部分や2人が写っている写真、先週出現した10円硬貨などはないそうだ。まんが(あるいは小説)で印象に残るシーンと、ドラマで印象に残るシーンは違って当たり前なので、それは別にいいというかドラマの脚本、演出として改変は当たり前のこと、という原作をそのままなぞったのではアホである。。原作は原作、ドラマはドラマとして見ればいいと思う(だからといって、むやみに原作を変えろと言っているわけではない。後先考えないアホな改変で、かつてフジテレビで放送された「らせん」「チームバチスタの栄光」などは連続ドラマにするために無理矢理改変した結果、ぐだくだになってしまった)。
 さて、今回の主役は緒方洪庵、つまり武田金八先生。何度も書くようだが、見せ場たっぷりで、しかもいい台詞ももらっている。役柄も人間的にスケールアップした老後の金八先生そのままで、前回のような説教シーンは、ぴったり。多くの人に感銘を与えて静かに消えていく……。こんないい役本当に二度とないような気がする。この、果報者め。
 ちょっと気になったのは小出君(「サイボーグ」では綾瀬の恋人役だったが、今度は兄)。まあ他のキャラが立っているだけにちょっと影が薄いのだが、だからといって遊女(うちの奥様が、水沢エレナという女優だと言っていたが、知らん(^^;)にふらふらしてというのは話を広げすぎていないか。どうでもいいような枝葉の話ならないほうがすっきりするし、もし本筋だとしたら、こんなにいろいろ話を広げて、うまく収束できるのか。ワンクール11回の予定で始めたのだが視聴率がいいので(秋ドラマでは唯一視聴率20%を越えている)、続編や映画化の噂が絶えない。他のドラマは軒並み一桁、さらに馬鹿な編成のおかげで他の番組も惨敗のTBSなので気持ちもわからないではないが、「さあ後は映画で」なんてことになったら視聴者、少なくとも私の大反発を買うことは必至。続編はともかくとして、「どうせいいかげんな結末で、映画を見ろということなんだろ」と他のドラマも思われ、地滑り的な視聴者離れの末、テレ東にも抜かれ最下位ということにもなりかねないぞ。

★2009.11.29 第8話 ☆☆☆★★★
 今回はどうも今まで影が薄かった小出君がメイン。大沢、内野らはともかくシナリオも演出も妹の綾瀬の方に力点を置いているので仕方がないと言えば仕方がないのだが、旗本のぼんぼんならではの純朴な必死さが出ていて、すれすれだが合格といったところか。ちなみに、綾瀬は今回も「必死」の名言が出た。昔、柴田錬三郎の小説を読んでいたら「二十歳の大年増」という記述がありびっくりしたことがあるが、「とうはたっておりますが」と言っても、綾瀬が女郎になったら中谷よりはるかに客がつくのでは(^^;、なんて馬鹿なことを考えたりもした。ただ、当時の1両は現在の7万〜10万くらいなので、いくら綾瀬が巨乳だといっても400両といえば3000万はする。これを高いと見るか安いと見るか。以前、「一発300万」などと週刊誌に書かれ消えて行ったタレントと比べれば安いのかな。もちろん、そんな金はないが(;_;)。
 話が脱線した(^^;。その他では、役者をやった人(名前知らないや、ヤマサの「世界の車窓から」おじさん(石丸謙二郎)も、ちょっと嫌みなところを見せながらも、もうけ役のシーンがちゃんと用意されていた。ああいうシーンって、多分演じている役者さんたちも気分いいんだろうね。内野はあいかわらずバイタリティーあふれる演技で、ともすればちょっと絵空事の悲劇に流れてしまいそうなドラマに妙な現実感を与えている。毎度のことながら、たいしたものだ(来年の大河で福山が龍馬をやるようだが、内野龍馬のインパクトがあまりに強烈なので苦労するかもしれない)。
 全体としては、後半へのつなぎの回で、☆☆☆★★といったところだろう。☆☆☆★★★となったのは、ひとえに「来週の予告編」につきる。こと予告編に関しては、いったいどうなるのだろう、来週も見なければという気にさせた、今までで最高の予告編であった。(^^;

★2009.12.06 第9話 ☆☆☆☆
 いやあ江戸の火事、力入ってましたなあ。藤田まこと病気降板で急遽出演が決まった中村主水ならぬ中村・紋次郎まあまあがんばったんじゃないのかな。火消しといっても半分は侠客というかやくざみたいなものなのだから、昔取った杵柄といったところか。火消しの意地と医者の意地のぶつかり合いはなかなかに見応えがあった。ペニシリンが主役になってしばらくお休みしていた久々の手術シーンも火事が迫ってくるという中でのもので緊迫感満点。このところ静の展開が多かったので、今回の動はシリーズ構成としても成功していると思う。
 中谷花魁も年齢的にはちょっと辛いのだが(なんせ綾瀬が「とうはたっておりますが」と言うような時代である)台詞はきっちり言えていてそれなりに違和感なく演じている。もうけ役の綾瀬もあいかわらずいい場面で使ってもらっている。が、中谷花魁とのあわやのシーン、火事のシーンなどいろいろあった中で今回も場をさらっていってしまった大もうけの達人はまたしても内野龍馬。今にも泣き出しそうな中谷を抱きしめ、これなら泣き顔を見られることはない(気が済むまで泣いたらいい)なんて、カッコよすぎ。ううむ、……こやつできる。
 というわけで、聞くところによるとNHK「坂の上の雲」とバッティングしたせいか視聴率はいまいちだったようだが、ドラマ自体の採点は上がった。それにしてもだ、ここまできてしまうとあと2回。本当に伏線として仕掛けられた多くの「謎」をすべて回収できるのだろうかと心配になってきた。まさか解決はパート2へとか映画でなんてことはないと思うのだが、子どもだましのとってつけたような解決だけはやめて欲しい、と変な心配が浮上してきた第9話だった。
(いいニュースが一つ。このところ民放界の万年4位でテレ東にも抜かれそうなTBSがついに「JIN-仁-」の再放送を決め、今週から始まっている。さっそく12/11金曜日に放送される第5話の録画予約をした。意味のない番組移動を強行し、ゴールデンに内容のない帯のニュース番組を作り、ダメTBSをダメダメTBSにしてしまった編成局長がついに更迭されたようだ。これでTBSもダメダメからダメくらいにはよくなるのかもしれない。)

★2009.12.13 第10話 ☆☆☆★★
 このドラマだいたい今週はこの人がメインだなという作りをしている。たとえば第6話は桐谷、第7話は武田、第8話は小出、先週の第9話は紋次郎といったぐあいだ。で、今週はまたまたスタッフお気に入り(と、勝手に私が決めつけている)綾瀬が主役だった。中谷も演技力でき負けていないというかむしろ勝っているのだが、シナリオも含めてどうしても綾瀬の方に力点が置かれてしまっている。ま、綾瀬の方が巨乳で若いし仕方ないか(^^;。
 ただ、今回はちょっと疑問もあった。大沢・仁がどうにも優柔不断な人間、あるいは冷酷な人間に見えてしまうのだ。現代では中谷と婚約までしていた男である。いくら何でも綾瀬や中谷の気持ちに気づかないというは鈍感すぎるというか、不自然というか馬鹿である。でなければ、ある意味女性の気持ちをもてあそんだ冷酷な人間ということになるが、そもそも大沢仁の性格設定はそうはなっていない。そのため別れのシーンにもちょっと無理矢理の感じが出た。そんな妹の大沢に対する一方通行の気持ちを受け止めて、以前、影が薄いと書いた小出君と麻生奥様がいい味出していたのが救いか。ラストの10分ほどはいい感じの緊張感で次週につないだが(内野龍馬の殺陣はさすが)、仁先生もう少しちゃんとせんとあかんがな。先週登場した火消しの紋次郎一家が今週出番がないのも不満。このままでは、あのエピソードは何だったのかということにもなりかねない。危機一髪のところにこそかっこよく登場してもらいたかったと思う。
 さて、来週はいよいよ最終回。
 85分の拡大枠だそうだが、正味70分程度のものだろう。果して70分で入り組んだ伏線をきれいに回収できて、スカッと終わることができるかどうか。今までラストでこけたドラマや映画を山と見てきたので正直心配もある。スタッフのみなさん、頼んだぜよ。と言ったところで、もう収録は終わっているんだろうが。
(初回に録画を失敗した第5話は無事録画できた。が、問題はオリジナルでは遠藤憲一の「水と生きるサントリー……」なんて入るナレーションが全くないこと。このスポンサー告知は、水と生きるサントリーのところには美しい水の流れが、支え合う日本生命のところには子どもを支え上げているシーンが入るという具合に実によく考えられているのだが、それがない。まあ、再放送は時間帯もスポンサーも違うのだから仕方ないといえば仕方ないのだが、ちょっと残念な結果ではあった。)

★2009.12.20 第11話(最終回)
 金・土と関係タレント(とくに大沢と綾瀬)があちこちの番組に出ずっぱり。もちろん番宣なのだが、超低空飛行が続くTBSにあっては、逆に「JIN-仁-」の人気に便乗してその番組の視聴率を少しでも上げようと考えているのではないか、と思えてしまうから皮肉である。
 最終回は先週の予告で「85分スペシャル」と告知された。が、新聞のテレビ欄を見ると「JIN-仁-」は9:00に始まって10:19からは別の番組が始まっている。ええーっ、あの告知は嘘だったのかと思ったのだが、よく考えてみれで2時間ドラマはだいたい1時間54分、90分(1時間30分)拡大版なんていうときは84分(1時間24分)。つまり告知時間から6分程度引く(ここにミニ番組が入ってテレビ局がCM料を稼ぐ)のが普通なので、別に嘘でも何でもなかったわけだ。と思いつつ、ちょっと損した気分になったのは、最終回への期待が大きかったためだろう。
 ……と思いつつ見たら、脱力。
 始まって1/3はゆっくりした展開で、大丈夫かいなと思いつつ見ていたのだが手術を決意するあたりからは快調。しかし、時間がない。このままでどうするんだろうとハラハラして見ていたらエンディング曲が。えっと、思わず時計を見てしまった。もしかして最後のワンシーンですべての謎が解けるのか。現代の中谷が元気に教えているシーンが一瞬。おっと思ったところでクリリン君(ホルマリン君ともいう)の目が、パチッと開いたところで、ジ・エンド。
 そりゃあ、ないぜ。
 そもそもタイムスリップに関しては、かつての「戦国自衛隊」でもそうなのだが、なぜ起こったのかの説明は不要。つまり、タイムスリップでこんな時代にきてしまいました、という枠組みなので別に解決する必要はない。が、しかし、第1回で仁が手術した患者(包帯男)は誰だったのか、そしてその患者の頭の中から出てきたクリリン君の正体は何なのか。そこに重大な謎があるのだといわんばかりの思わせぶりで何度も出てきているのだから、こういうところはきちんと解決してくれないと終わりにならない。
 森下という脚本家らしいが、この人、男女の愛憎や決め台詞はうまいのだが、タイムスリップという仕立てのおもしろさがどこにあるのかわかってないね。しかも、この「日記」でも再三指摘しているように、謎を出して引っ張って行くのはいいが、その回収が下手だ(いい例が平成22年の10円玉。何のために出したのかあいまいなまま不発に終わってしました)。それなのに次々と謎を広げて回収不能に陥りとうとう投げ出してしまったとしか思えない。この手のタイムスリップ、あるいはタイムトラベル物のおもしろさは、ひとえにこの回収のおもしろさにある(現代と過去をうまく結んだ例として「バック・トゥ・ザ・フューチャー」を挙げておく)。それが、せいぜい手習い塾を始めた中谷が未来、つまり現代では予備校らしきところの講師をやっている(未来は変わってしまい、植物人間になっていた中谷は元気!)くらいのもので、あとのほとんどは未回収なのだから文句の一つも言いたくなるというものである。
 原作まんががまだ完結していないことから噂になっている来年の第2部、あるいは映画の予定があって、こうした結末にしたのだろうか。それにしてもだ、この回はこの回としてきちんと結末をつけるべきである。すくなくとも番組の終わりに第2部、あるいは映画の告知はなかった。仮面ライダーだったかがかんじんのところで番組は終わり、結末は映画でとやって非難を浴びたばかりである。もし非難を避けるために時間をおいて告知しようと考えているのだとしたら悪質である。せっかくのいいドラマが(この最終回も、小出が綾瀬を大沢のところへ行かせるシーンや、中谷との別れのシーンなどなかなかよかったのに)最後に台無しになってしまった。
 こういういいかげんなことをされると、久々に連続ドラマを見たのだが、(噂通りなら)映画の長ーい予告編を見せられたようなもので、もうTBSのドラマは見ないぞ、という気になってしまう。編成のめちゃくちゃで軒並み視聴率が下がっているようだが、金儲けに走り(企業である以上それが悪いとは言わないが、そのためにかんじんのドラマを台無しにしてしまっては本末転倒である)何か勘違いをしているのではないのか。
 というわけで、最終回は、採点なし。おもしろいドラマだっただけに、ちょっと残念な感じが残った。


「JIN-仁-・完結編」
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「JIN-仁-・完結編」第1話 ☆☆☆★★★
 一昨年(もうそんなに昔のことになるんだ。時の経つのは早い(^^;)、久しぶりに全話リアルタイムで見たドラマの完結編である。前シリーズの最終話がなんとも中途半端な終わり方で、そのため続編は映画でなんて噂も出たほどだが(どこかのスポーツ紙では、映画化決定のように報じていた)、無事、テレビでの続編放送となったことをまずは喜びたい。
 というか、テレビドラマの続編がテレビで放送されるということは当たり前のことなのだが、それが当たり前でなくなっているのが、今のテレビ業界のどうしようもない現状なのである。とくにひどいのがフジテレビで、「のだめカンタービレ」「SP」いずれも、結末は映画で、という展開だった。視聴者は長い予告編を見せられたようなもので、馬鹿にするな、と怒り出すのかと思ったら、けっこう映画館に足を運んでいる人も多いようで、世の中わからないものである。まあ、行くのは行く人の勝手だが、この「結末は映画で」というパターンはどう考えてもテレビとしての正常な状態ではない。メディアとしての責任を放棄して、自らの首をしめているのではないかと思うのだが、どうだろう。
 話を、「JIN-仁-・完結編」に戻そう。
 前シリーズは尻上がりに話題になっていったので、見ていた人のほとんどは今シリーズも見ると思うのだが、問題は前シリーズを見ていなかった人の扱いである。今シリーズで初めて見た人が何のことかわからないような作りでは問題にならない。この手のもので「うまいなぁ」と思ったのが映画「スーパーマン2」で、「1」の話をタイトルの間にうまくはさんでなるほどなるほどと納得させ、さあそういうところから今回の話が始まりますよー、とうまく告知してくれた。
 その点、テレビの場合は再放送という手がありので、多少有利ではある。
 「JIN-仁-・完結編」の場合は、まず昨年暮れのゴールデンタイムに1日4時間×2日で前シリーズを再放送した。長時間の放送で12%近い視聴率をとったようなので、まずは成功といえるだろう。もちろん、今回の放送(4/17)の前週の昼間には、毎日2時間使ってもう一度再放送をした。で、本番。全シリーズを全話きちんと見ている私には判断がつかないが、冒頭でタイムスリップの件などそこそこうまく処理されており、まあ合格点なのかな。というのも、このドラマは、ドラマ自体が力をもっているので、江戸時代にタイムスリップしてしまった現代の医者の物語というこの点だけが納得できれば、前シリーズの詳細な話など知らなくてもドラマ世界に入っていけるからである。
 で、かんじんの本編なのだが、前シリーズのレベルを落とさず、きっちり作られていてまずは安心した。ただ、今回は2時間スペシャルということで仁先生、京都へ行って戻ってとやや忙しかったことは否めない(船の場面などなかなかによく撮れていたが)。
 これは、坂本龍馬と言えば薩長連合なので、佐久間象山のけがを治すという名目で京都へ行かせ、その関連で西郷隆盛と仁先生を合わせるという道筋だったのだろう。現に長州の切腹して果てる久坂玄瑞とも引き合わせている。要するに、今後の薩長連合、龍馬暗殺への伏線と考えれば納得がいく。
 ということで、今回の本筋は橘家の動向。
 勘当された咲、空気兄、そして脚気を患った母上と仁とのからみが中心になる。びっくりしたのが、母上を演じる麻生祐未さん。目が落窪んで本当の病人に見える。何でも今回の役作りで体重を8kgも落としたとか。マツコデラックスやお笑い芸人響の「ミツコ」が8kg落とすのではない。小柄でもともと細身の人が8kg落とすのである。いやあ、役者魂ですなあ。座布団2枚。大沢、綾瀬、内野は前シリーズから引き続いての好演で、1年半ブランクの違和感は全くない。各人に座布団1枚。佐久間象山を演じた市村正親は舞台役者特有のオーバー演技がやや目立ったが、まあとんでもない男という設定なのでこんなところか。西郷隆盛の藤本隆宏という役者はよく知らないが無難にこなしてはいた。
 しかし、今回、場面をさらってしまったのは「枝豆少年」こと喜市役の伊澤柾樹君だろう(「ちちんぷいぷい」のあの少年である)。この子、嫌みを感じさせずにうまいねえ。「生きていないと笑えないんです」の言葉が率直にこちらの心に届いた。こういう子役が出てくると、親の欲なのか、CM出まくりの「子ども店長」もちょっとヤバクなるかもしれない。またまた座布団2枚。
 エンディングの歌が、MISIAから平井堅に替わったことにはいろいろな意見があると思う。MISIAのときもあの張り上げ声がうるさく感じられたくらいで、私は、歌いらない派である。よくできたテーマ曲だけで十分。主題歌が、せっかくのドラマの余韻をぶち壊しているのではないのか。まあ主題歌なしというわけにもいかないのなら、もう少し歌の音量を下げてもらいたい。
 以上、書きたい放題書いてきたが、(そして、これは前シリーズの感想でも書いたのだが)タイムスリップ(タイムマシンを使うことも含めている)して過去へ、あるいは未来から現代へという話は今までに5万とある。「バック・トゥ・ザ・フューチャー」「戦国自衛隊」「時をかける少女」などがその典型だが「タイム・アフター・タイム」「デジャヴ」「ファイナル・カウントダウン」「僕の彼女はサイボーグ」「12モンキーズ」・・・きりがない。「ドラえもん」だってそうだ。だから、この「JIN-仁-」のおもしろさを、単に現代の医者が江戸時代にタイムスリップしたらという設定に還元することは無意味である。そこでのドラマがきちんと作られているのかどうかという点にこそ良否を求めるべきだろう。そして、「JIN-仁-」というドラマは、ちょいと気の利いたシチュエーションという変化球に頼ることの多い(たとえばキムタクがパイロットだ、レーサーだ、会社社長だといったたぐいの)昨今のドラマの中にあって、珍しく直球で勝負しようとしているドラマだと言える。だから、見る方もつい力が入って疲れる。こういう直球作品は出来が悪いと疲れるだけにライトコメディーの何倍も腹立たしいのだが、今のところは、それがいい方向に作用していて、快い疲労感とともに見終えることができる。というわけで、来週もまた見ようということになる。(^^)/
 ところで、TBSの「JIN-仁-・完結編」ホームページには、こんなことが書かれている。
「続編では、残されたすべての謎が明らかになる。
仁の頭の痛みは何だったのか――
仁はタイムスリップして再び現代に戻るのか、それとも江戸で生きるのか――
咲の想いは届くのか――
吉原を離れた野風のその後は――
現代の未来は果たして――
そして刻々と近づく坂本龍馬暗殺という史実――
果たして仁は坂本龍馬を救うことができるのか!?」
 本当にすべてがすっきりと解決されるとは思っていないが(タイムトラベル物の宿命でタイムパラドックスは避けられない。どうしてもどこかに曖昧な部分が残ってしまう)、池上さんではないが「なるほど、そうだったのか」と思わせる結末になるのだろうか? 実は、私がいちばん心配しているのはこの点なのだが、こればかりはシリーズが終わってみないことにはわからない。ううむ・・・。

「JIN-仁-・完結編」第2話 ☆☆☆★
 今回は陰謀渦巻く大奥もからんで、仁先生、ついに牢屋に入れられてしまう。大沢たかお、上半身裸で水をかけられたり、叩かれたり。このドラマの撮影は今年から始まったようなので、撮影はおそらく1月下旬か2月上旬の大寒のころ。いやあ、役者って本当に大変ですなあ。まさに、「体当たり」演技とはこのことでしょう。ちなみに、綾瀬さんも牢屋に入れられてしまうのだが、こちらは独房で、老名主が綾瀬はるかの上半身を裸にして、叩くなんてシーンは全くない(残念だが、それだと違う話になってしまう(^^;)。
 流れとしては前回の安道名津の延長戦上のもので、新しいところでは和宮登場。黒川智花さんも登場したが、ちょっといたずらっ子のような感じで悪くはない。皇女なので、ある意味世間知らずなわけだ。今までの皇女和宮というとどうしても暗いイメージがつきまとったのだが、いきなり安道名津をバクリとやったりの天真爛漫というのも「あり」かなと思わせるものがあった。ただ、こちらも、口から太いチューブを入れられるシーンがあり、これまた役者って大変だなあと思わせるのだが、胃洗浄のシーンは、人によってはグロいかも。
 元花魁野風役の中谷美紀さんも当然のように登場。これでいよいよ役者がそろったかな、という感じにようやくなった。その中谷さんがぞうきん掛けするシーンがあるのだが、これがなかなか様になっていて驚いた。売れっ子の花魁にしてはちょっと華がないかなと思っていた中谷さんだが、実はこういう役の方が合っていたのかもしれませんなぁ。
 で、かんじんのドラマの出来としては、まあよくできてはいるのですが、今までがアウトスタンディングな出来だったので、やや残念、というのが正直なところ。大奥の陰謀とかそういったある意味「定番」「通俗」ともいえるよくあるパターンを期待してこのドラマを見ているわけではないのだ。見ていて、つい「ちょっと違うんでないかい」という気持ちになる。そもそも誰かが悪事を企み主人公がその罠にはまって危機に陥るという展開自体が私は嫌いなのだ(ドラマとしては作りやすいのだが安易)。あと、ごひいき坂本・内野の出番が少なかったのも物足りなかった。ということで、次回は本筋に戻ることを期待。

「JIN-仁-・完結編」第3話 ☆☆☆★★
 さて、先週、ちょっと調子を落とした、と書いた「JIN-仁-・完結編」の第3話。
 前回、敵対者の陰謀などというありきたりのドラマ展開になったことに物足りなさを感じたと書いたが、今回は前半でいろいろあったものの、仁先生(大沢)は無事釈放。もちろん、咲(綾瀬)も裸にされることなく釈放された(別の期待で「残念」なんて思っている輩もいるだろうが)。これで、まあようやく本筋に戻ったというわけだ。矛盾するようなことを書くが、牢屋に入れられてということなら、もっと牢屋の中での仁先生の活躍ぶりを前面に押し出す必要があったのではないかと思う。それでこそ、いついかなる場合においても、医者は人を救うのが仕事、という作品のテーマがより生きてくるというものだ。そこがもう一つなので、小日向、中村敦夫あたりが次々と出てきても、もう1つ盛り上がらず、なんとなく横道にそれてしまった感じがしたのは残念。
 釈放された仁先生が釈放の理由を聞き、ペニシリンの製造方法を敵対する相手に差し出すあたりは、本道そのもので、快調。この前後はとてもいい感じで見ていられるし、盛り上がる。「医龍2」でスーパードクターを演じたごつい俳優(佐藤二朗)を間においた両陣営の扱いもうまいもので、見ているこちらにもその温かさが伝わってくる。洋装した野風(中谷)が出てくるあたりからは、完全にペースを取り戻したと言っていい。しかし、中谷は練習したんだろうなあ、ああいうウマの乗り方はちょっと怖いと思うのだが。
 結論としては、前回よりはいくらか本筋に戻したというか、ようやく高視聴率ドラマの続編という力みが消えたようで、こちらも普通に見ることができた。プラス★1つ。昔のように半年とか1年というドラマではなく、たかだか3か月で「完結」してしまうドラマである。ちょっとばたばたしたところはあったが、野風の一件や仁先生のプロポーズなど、多分、今回までがいわば「助走」ではないかと思う。あまり脇道にそれることなく、このまま本道を一直線に進んでいってほしいものである。
 それと、第1話の感想で「エンディングの歌が、MISIAから平井堅に替わったことにはいろいろな意見があると思う。MISIAのときもあの張り上げ声がうるさく感じられたくらいで、私は、歌いらない派である。よくできたテーマ曲だけで十分。主題歌が、せっかくのドラマの余韻をぶち壊しているのではないのか。まあ主題歌なしというわけにもいかないのなら、もう少し歌の音量を下げてもらいたい。」と書いたが、今回のラストの平井堅の歌はなぜか自然に聞けた。別に歌が変わったわけでも、音量が低くなったわけでもないのに、何だかとてもいい感じで聞けたのが不思議である。もしかして、名曲?

「JIN-仁-・完結編」第4話 ☆☆☆★★★
 前回の感想で、助走が終わり、いよいよ本道に入るのではないかと書いたが、その予感通り1人の少女(お初ちゃん)が登場した。この少女を助けようとすると仁先生の体が消えていくというのだから、ただ事ではない。仁先生の先祖だとしたら、救わなければ消えてしまうところなのだが、逆なのだ。救えば仁先生は消えてしまうようなので、仁先生が消えてしまったら話は終わってしまう。とすると、結局のところ少女は救えないのか。救えないとすれば、手を触れたときの、あの「衝撃」は何だったんだ。これだけもったいぶった展開で、ただの少女でした、では詐欺というものだろう。さらに、少女は仁先生が折ってあげた、その時代にはない折り紙をなくすまいとして大けがをしたのだから、そのあたりはどうなのかという疑問もわく。
 映画「バック・フゥ・ザ・フューチャー」が典型なのだが、過去にタイムトラベルした場合、自分の先祖と出会うことになる。よくあるのは、自分の先祖を殺したら、あるいは死ぬはずの人を助けたら当然未来は変わってしまうはずなので、タイムトラベルした本人はどうなるのかという展開で、似たような設定のSFやまんがは万とある(そうしたよくある設定の中で「ルパン三世」の「タイムマシンに気をつけろ」は、実に秀逸な解決方法をとっていたのだが、本筋とは関係ないのでここには書かない)。
 これまでの展開はすべて仁先生と他人との関係で進んできたが、このあたりでそろそろと思っていたところに、謎の少女の出現。ここでも本道が見えてきた。もちろん、タイムスリップ物にはいずれにしてもパラドックスがつきものなのだから、すべてが解明されるということはあり得ないのだが、とりあえず納得のいくような着地はしてほしいものである。
 さて、今回の見どころは、川越藩に行った仁先生が藩主の奥方の輸血を頼む場面だろう(ちなみに首に良性とはいえ大きな腫瘍のある奥方は緒川たまき。前シリーズの梅毒にかかった花魁・高岡早紀といいおもしろいキャスティングだと思う)。「おばばさま」の役者うまいなあ。座っている人物を、ずーっと映していくとき印象に残るように映していくカメラワークもいい。ううむ、このドラマの関係者、明らかに映画「スパルタカス」を見ておるな。人の立ち方を含め「アイム・スパルタカス」そのまんまではないか(映画を見た人だけにわかるように書いている。わからない人はすぐさま「スパルタカス」を見るべし。3時間半以上あるけど(^^;)。緒川と綾瀬のやりとりも緊張感があって、なかなか見せる。綾瀬は助手としての動きもきびきびしていて、いかにもそれらしく、「医龍」の水川さんを完全に越えたね。
 もう1つの見どころは、薩長連合に奔走する内野龍馬。
 先日、一路真輝さんとの離婚が発表されたばかりだが、そんなことはものともしない活躍ぶり。桂、西郷を熱意をもって説得するところもいいが、寺田屋での動きもすばらしい。ラスト近くのいわゆる「寺田屋遭難」が「仁タッチ」を崩さないまま、意外と伝承を忠実に再現しているのも興味深い。「寺田屋遭難」とは、薩長の会談をようやく取りまとめた龍馬が寺田屋に宿泊しているところを捕り方が大挙して襲った事件である(「寺田屋事件」というのもあって、こちらは薩摩藩の内紛。それと区別するために龍馬のほうは「遭難」と言われることが多い)。
 異変に気付いたお龍(龍馬の妻)が風呂から全裸で階段を駆け上がり危険を知らせるのだが、裸はほんのチラリで残念。龍馬はピストルで応戦するが、親指を負傷する、なんてところまでちゃんと再現されていた(龍馬が、障子越にピストルを射つシーン、いいねえ)。スピード感と迫力があり、この短いシーンだけでも十分に楽しめた。もちろん、史実に忠実かどうかなんてことは、こういうドラマにあってはどうでもいいことなのだが、そういう細部にまで目がいきとどいていると見る方も思わずニヤリとしてしまうわけである。
 今回は内野と綾瀬と「おばばさま」に座布団1枚。 
 ……ということで、まあこれは来週も見なければなるまい(きっぱり)。

「JIN-仁-・完結編」第5話 ☆☆☆★★
 「2」よりはおもしろいが、前回よりはややオチ、「3」と同程度の出来だった。いや、話としてはうまくまとまっており、生きる長さと生きる密度というものを考えさせられる内容で悪くはない。悪くはないのだが、どうしても仁、龍馬、咲という本道の3人から少し脇道にそれたような感じがしてしまうのだ。長い原作のすべてをドラマでフォローするなんてことは不可能なのだから、なくてもいいエピソードだったのではないのか。
 繰り返すが、話としてはも出来としても悪くはない。わざわざ「JIN-仁-」の1話まるまる使ってまでやる必要があったのか、ということである。
 役者馬鹿の父(吹越満。この俳優、私が思っていたより出来るネ)と、その子どもの葛藤もよく描かれていたし、桐谷、佐藤といった仁友堂の医者たちにもそれぞれに見せ場があった。とくに桐谷は、確か28だったか29だったかで「ルーキーズ」に出ていた(つまり、高校生だ!)ので、私は勝手に「おっさんルーキーズ」と呼んでいるのだが、今回はもうけ役だったなぁ。こうなると、ネットで「空気兄」などと呼ばれている、同じく「ルーキーズ」出身の小出君(咲の兄)にも見せ場をつくってあげたくなねのだが、見せ場は来るのだろうか?
 病が重く、しかしどうしても今一度舞台に立ちたいという役者馬鹿の話になると、最後の舞台を最後の晴れ舞台にし見事演じ終えた直後に倒れるというような展開が、まあ一般的だろう。それを、(ドラマを見た人だけにわかるように書くが)ああいう形にしたのは、上出来のシナリオである。
 またまた「スパルタカス」の話で恐縮なのだが、「クォヴァディス」など凡百の映画が決闘シーンはローマのコロッセウムのような大舞台でと決めていたときに、カーク・ダグラスとトニー・カーティスとの決闘をああいう形でやらせたのを思い出した(またまた「スパルタカス」を見た人だけにわかるように書いている)。「JIN-仁-」のスタッフが「スパルタカス」を見ているのではないかという私の推測は、今や確信に変わった。
 話がそれた(というか、それてばかりである(^^;)。
 それまで黙っていた子どもの、「よっ、大和屋!」もいいねえ。枝豆少年(喜市)といい、前回の折り紙少女といい、このドラマは子役の使い方が抜群にうまい。子どもが登場するドラマというとどうしても、「かわいい」「(演技が)達者だ」「大人びていておもしろい」など、子どもにオモネッタ内容になることが多いのだが、このドラマはドラマの流れの中での子どもということできちんと処理している。要するに、その子どもの行動や考え、台詞に必然性があるのだ。
 てなわけで、話自体はすでに書いたように、まとまりがあり、展開も悪くないのだが、本道からそれた分、それと内野龍馬の出番が少なかったことと合わせて、前回より★1つマイナスとなった。
 さて、次回は分水嶺(最近のドラマは全11回というのが多いので、勝手に11回と決めている)。今回の最後に仁先生はペニシリンを持って長崎へ行くことになったようなので、どうなりますことやら。怒濤の本道一直線を期待したい。
【追記】ソファに寝っ転がってぽやぁっと見ていたので気づかなかったが、ペットに詳しいFSさんによると、実験動物として出てきたネズミは、スナネズミだったそうな。ここは、おいおいと一言あっていい。スナネズミはペットショップでも売られていて手に入りやすいし、確かに実験動物としても使われている。それで、スタッフは調達したのだろうが、もともとは中央アジアの原産。日本に入ってきたのは、戦後。戦前に大陸に渡った人間が持ち帰った可能性があるにしても、百歩譲って明治以降であり、いくらなんでも江戸時代はないだろう。

「JIN-仁-・完結編」第6話 ☆☆☆★★★
 さてさて、早いもので「JIN-仁-」も早くも折り返しにきてしまった。今回は、長崎に来た大沢・仁が内野・龍馬に久しぶりに会うが・・・、というストーリー。綾瀬や仁友堂の面々の出番が少なすぎるという声も出そうだが、本道に戻ったわけで、これはこれでよい。やはり、あの幕末の中でどう生きていくかという話が中心になっていないと「JIN-仁-」のおもしろさは伝わってこない。視聴率のことはあまり関心はないのだが、「5」より明らかに出来はよい。
 私は、全く読んでいないのだが原作のまんがはかなり長いものなので、いろいろな人物の出入りがあると思う。そして、何度も書いていることだが、原作(この場合は、まんが)をそのままなぞったのではテレビドラマや映画にはならない。そもそも、原作でおもしろいところと、ドラマにしておもしろいところとが同じとは限らないのだ(たとえば、あまりにも有名な「ベン・ハー」の戦車競走の場面で、原作と映画とでは、あっと驚くような大きな違いがあるのだが、映画はあれでよい)。
 戦闘シーンなどは、長州軍と幕府軍の戦いと考えるとあの10倍くらいの人数が必要なのだろうが、最近ではNHKの大河ドラマでも戦闘シーンはたいしたことはない、というかショボイ。大河よりずっと予算の制約があると思われる民放ドラマとしては、がんばったほうだろう。傷ついた人間を見れば、医師として助けずにはいられない大沢・仁の行動、そしてやっと助けた幕軍の兵士たちがあっさりと長州軍に射殺されてしまうエピソードなど、よくできている。己の暗殺を予感しているような、内野・龍馬の焦りもよく表されていた。内野聖陽といえば一路真輝との離婚騒動の真っ最中のはず(あれっ、まだ離婚は成立していないよね?)。そのどろどろ劇の中でこれだけの熱演ができるのはたいしたもの。いや、だからこそできるのか?
 いずれにしても、もう半分過ぎたわけである。脇目もふらず(要するに、寄り道せずに)ラストに向かって突き進んで行ってもらいたい。
 なお、仁が長崎で医術を教えている所に出入りしていた老人は、東芝の創業者(の1人?)なのだそうだ。この「日曜劇場」、かつては「東芝日曜劇場」と言われていたように、番組のスポンサーの1つは今でも東芝である。東芝1社提供ではないので別に東芝だけに気を使う必要はないのだから(でなければ、サントリーとか花王が怒る)、わざわざ出したとは思えない。原作にも出てくるのだろうか?
 ということで、来週からはいよいよ後半戦。
 ばらまかれている多くの謎がうまく収斂し、ああそうだったんだと納得でき、見終わった後で温かいものが残るような、そんなラストを迎えることができるのかどうか、これからが監督、脚本、役者の腕の見せどころである。
 「JIN-仁-」の脚本家、恋愛や謎の提示、決め台詞などはうまいのだが、謎の収束は・・・・・という感じもするので、実はちょっと心配もしているのである。

「JIN-仁-・完結編」第7話 ☆☆☆★★★
 月日の経つのは早いもので、ついこのあいだ始まったばかりだという気がする「JIN-仁-・完結編」も、もう後半戦。泣いても笑っても、あと5回しかないのだ(またまた浮上してきている「映画化」の話は論外なので、ナシね(^^;)。残された5回は、前回からのテーマと謎の回収という本道を進んでほしいものだと思いながら見た。
 ここで私の言う「本道」とは、大沢・仁を中心に、綾瀬・咲、内野・龍馬、そして中谷・野風に関わるストリー展開ということである。もちろん咲の関係での母親、兄、龍馬の関係での幕末の主要人物たち、仁友堂の面々といったところもそれなりに重要な役割を果たしていることは間違いないのだが、そういった周囲の人物にスポットライトを当てそれらをメインに据えた話(「第4話」「第5話」)をのんびりやっている余裕はもうないはず。今回の話のメインが野風になったことは当然といえる。
 野風は、原作には出てこない大沢・仁先生の現代での婚約者・友永未来の祖先かもしれないのだから(中谷美紀の二役)、ある意味、本道中の本道なのかもしれない。
 タイムスリップした仁が体験する「歴史的な」異文化に加えて、今回は「地理的な」異文化が加わり、地理的な異文化に関しては視聴者の我々は熟知しているので、咲の酔っぱらいなど、厳しい話の中にも微笑ましい場面が生まれて大いに楽しむことができた。こうしたこちらが知っているのにドラマの登場人物は知らないというパターンは、視聴者の優越感に訴えてくるので、とても気持ちがいい。もちろん錯覚に過ぎないのだが、なんとなく自分が一段偉くなったようないい気分になれるのである。
 余談だが。このての視聴者(読者)の優越感をくすぐるのがうまかったのは、SF作家のアイザック・アシモフである。「夜来る」という中編では、複数の恒星に照らされて夜のない世界が舞台。そこに何万年だかに1度の夜が来るというので、登場人物たちが夜というのはどうなっているのだろうという会話を交わす。何百もの星が見えるという人物は変人扱いされるのだが、いよいよ夜が来ると空には何千、何万もの星が、という結末。こちらは夜空には無数の星が見えることを知っているので、「ふふふ・・・」と優越感に浸りながら読み進めることができるわけだ。有名な「ファウンデーション」シリーズにしても、すでに人類誕生の星がわからなくなっている時代で、これも「それは地球だ」とこちらは知っているので優越感をもちながら、かつ「安心」して読めるのである。
 話が、大幅にずれた。(^^;
 全体として、今回は本道を行きながら、野風にスポット。予想された展開とはいえ、うまくまとめられていた。今回、次回と野風をメインにし、後は一気呵成に「龍馬暗殺」になだれ込むという計算なのだろう。ここまでくれば、もう話がぶれることもないと思うので、後は「安心」して見ていけるはずである。問題は、あちこちにばらまかれた謎をうまく回収できるのかどうかにかかっている。と、どうしてもこの話になってしまうなぁ・・・。
 ところで、大沢・仁先生はさかんに龍馬暗殺の日付を知りたがっているので、この場を借りて教えておいてあげよう。慶応3年11月15日(1867年12月10日)。場所は京の河原町・近江屋。旧暦と新暦ではひと月近く違ってくるのだが、そのへんは仁先生わかっているんだろうね? さて、来週は予告編を見る限り、最初のクライマックスになるはず。なんか、せつない結末がありそうで・・・こりゃあ、きちんと見んといかんぜよ。(^^;

「JIN-仁-・完結編」第8話 ☆☆☆☆
 今回は、大政奉還と野風の出産がメイン。内野・龍馬と中谷・野風にはおいしい場面がたっぷりと用意されていて、役者としてもやりがいがあったと思う。
 まず、内野・龍馬だが、いいねえ。前シリーズでも存在感は際立っていたが、今シリーズでは離婚騒動を乗り越えて(おいおい)、実にスケールの大きな演技を見せている。龍馬の周りには、佐藤隆太・東(これは架空の人物だろう)、市川亀治郎・中岡、藤本隆宏・西郷らが出入りするのだが、完全にかすんでしまっている。いや、彼らもそれなりの演技をしてはいるのだが、内野・龍馬はそれ以上に輝いているので、まあ太陽と月との関係のようなものだ。何よりも、熱を込めて理想を語る表情がいい。私は司馬遼太郎の「龍馬がゆく」も読んでいるが、(そして多くの人がこの作品に描かれた坂本龍馬に魅せられているようなのだが)私は司馬作品での龍馬は、どうも口先だけの人間のように思えてあまり共感できなかった。が、この内野・龍馬に熱っぽく語られたら納得してしまうかもしれないと思った。
 薩長連合という、ふつうに考えたら水と油のような二藩を、「必要だから」と連合させてしまったのは、やはり理論よりも熱だろう。吉田松陰などもそうなのだが、やはりこの幕末の時代を動かしていたのは、「このままではいかん」という熱なのだ。その意味でも今回の内野・龍馬は確実に座布団1枚に価する。有名な「船中八策」が実は「船中九策」あり・・・という場面も、タイムトラベル物の醍醐味を史実にのっとりながらうまく出している(「九策」目が医療保険項目なのは、スポンサーに日生が入っていることからなのか?)。
 ところで、今回もしかするとその内野・龍馬以上だったのかも、と思えるのが中谷・野風。いやあ、熱演でした。役者というのは熱演が空回りしてしまうことも多々あるのだが、今回は出産シーンということもあり、熱演がいい方向に回った。表情も声もいかにもそれらしくて、赤ん坊を助けたいという母親の気持ちがとてもよく出ていた。ううむ・・・「母は強し」ですなぁ。「けいぞく」とか「ゼロの焦点」(映画)などを見ても、中谷は額に青筋立てるばかりで決してうまい役者とは思えないのだが、今回はちょっと鬼気迫るものがあって納得の演技だった。シチュエーションがぴたりとはまると、「火事場の馬鹿力」ではないが、人間、能力以上のものが発揮できるのかもしれない。すばらしい。こちらも文句なしに座布団1枚。
 綾瀬・咲さんは今回は見せ場はないのかな、と思っていたらラスト近くでの赤ん坊のお尻ペチペチがあった。綾瀬はるかは、けっこう力ありそうなので赤ん坊もさぞや驚いたことだろう(もちろん人形だけどね)。あと意外にいい味出しているなあと思ったのが、仁友堂の佐藤・福田先生。でかくて武骨なんだが、何とも言えない医者の覚悟と優しさがにじみ出ていてよかった。さすが、「医龍2」で「スーパードクター」をやっただけのことはある。
 というわけで、今回のシリーズ始まって以来の高得点になった。
 最後に、気になったことを書いておく。例の三隅医師の陰謀を暗示するシーンがちょっとだけ出てきたが、たとえこれが結末に関係するものだったとしても、こういう話はやはり本道にはそぐわない。適当に切り上げて、本道を一直線に進んでもらいたい。なんといっても、あと3回しかないのだから。

「JIN-仁-・完結編」第9話 ☆☆☆★★★
 綾瀬・咲の兄を演じている小出恵介・恭太郎が、あの「2ちゃんねる」で「空気兄」と言われているそうである。空気のように存在感がないということなのだろう。そういえば、2人が恋人?どうしを演じた「僕の彼女はサイボーグ」(以前のブログにも書いたが、あれはサイボーグではなくてアンドロイドね。こういう基本的なところで大きく間違っていると、元SF少年としては、それだけでがっかりしてしまう)でも、話題になったのは綾瀬さんばかりで、小出君は影が薄かった。
 ……が、今回はひと味違った。
 空気兄の苦しさ、悲しさ、虚しさなど、見ているこちらもちょっと息苦しくなるほどよく伝わってきた。何よりも、切羽詰まった緊迫感があった。小出君、うまくはないにしても、決して下手な役者じゃなかったんだ。話し方がどうも1本調子の「ROOKIES」仲間でもある桐谷・佐分利医師より役者としてよほどきちんと演技ができていると思う。謎の解明にもかかわる「龍馬暗殺」に、このような形で空気兄をからませる展開はなかなかうまい。今回、もっともっと押すとしたらここの流れだったと思うのだが、適当なところで切り上げられてしまったのは、何とも惜しい。
 龍馬暗殺者に関しては京都見廻組説が有力だが(私が「TOSHI」といういいかげんな小説を書いたときも一応はこの説に従った)、新撰組説、薩摩藩説、土佐藩説なんてのもあって、未だに確実といえるものはない。そのあたりもうまくドラマに取り込んでいた。亀・中岡の死からして近江屋ではなく路地なので「歴史」がすでに変わっていることは明らかなのだが、龍馬が軍鶏鍋が好きだったこと、顔を斬られたことなど史実も取り込んでいて抜かりはない。さあ、来週はどうなってしまうんだという終わり方も悪くはない。
 ただ、どうなんだろう。
 前シリーズは、江戸時代にタイムスリップした現代の医者という設定を生かし、空気兄への神業的手術、コレラへの対応(点滴の用具を作るなどという話含む)やペニシリンの製造などが本道とうまくからみあって推移していた。が、今シリーズではせいぜいが安道名津程度で、地味。とくに現代医学を導入しての展開は、前回の帝王切開くらいしかない。そのため、大沢・仁先生もただただ龍馬が暗殺されることを知っていて右往左往しているだけのように見えるときがある。暗殺の危険を知らせるのに医者である必用はない。つまり、未来から来た人間+現代医学を修めた医者という仁先生の両輪の片方が脱輪しているのだ。
 幕末という時代は良しにつけ悪しきにつけ、現代日本の礎を築いてしまった時代である。その意味では、決して過去ではない。とくに政治の世界では岸、佐藤、安倍という長州藩の流れが現在も生きているのである。私自身はそんな幕末に興味があるので不満はないのだが、前シリーズの視聴者の中には、野風(未来)、咲、仁の恋愛トライアングルを中心に、もっとヒューマンなドラマを期待している人もあると思う。もっと切ない恋愛模様を前面に出したもらいたいという人もいるだろう。だからといって、同じことをやっていたのでは意味がないわけで、続編というのは、難しいものである。最もいけないのはすべての要望を満たそうとして、どっちつかずになることだ。
 最後に、今回も書いておこう。
 例の三隅医師の陰謀、全く不要というより、邪魔。司馬遼太郎の「龍馬がゆく」でも、初めのほうで龍馬がけっこう剣術使いだったことがかなりのページを使って描かれているがそれが後の展開に全く生かされていないとか、「燃えよ剣」で土方歳三の敵役として六車、七里なんてのを出したものの途中でその存在自体が邪魔になったということがある。それまでの司馬作品は直木賞を受賞した「梟の城」を読めばわかると思うが、柴田錬三郎の後追いのイメージがあった。この2作はそんな司馬の転換期のものなので、書き始めのころにはまだどう書いていったらいいのか自身迷いがあったのだと思う。
 いかん、また話がそれた。
 思えば、脇道にそれたなあと思った第2話などもこの医師の陰謀がらみの話で、このあたり脚本家の計算違いとしか思えない。でなければ、無能だろう。多分、原作には出てくる人物なのだうが、原作に出てくるからといってドラマにも出さなければならないということはないはずだ。あと2回しかないここにいたって、医師の陰謀などというありきたりのドラマなどどうでもいい。そんなもの見たいと思っている者は、1人もいないはずだし、そんな時間の余裕はないはずだ。と、文句を言ったところでもう撮影は終わっているのだろうから、どうしようもないとは思うのだが・・・・・。
(江戸時代にペニシリンは本来ない薬なので、「歴史の修正」やらとかで、ペニシリンを時代からなくすために悪徳医者を登場させているなんていう小手先のアホな理由だったら、本当に「怒るでー!」)

「JIN-仁-・完結編」第10話 ☆☆☆★★★
 「最終章・前編」なんだそうである。
 じゃあ、今まで「序章」とか「第何章」とかあったのか、というとそんなものはない。こういうサブタイトルの付け方は、最近のテレビドラマや映画での流行のようなもので、「ハリー・ポッター」「SP」などもそうだった。「最終」とあれば、より多くの観客・視聴率が見込めるという観客・視聴者をなめたやり方だと思う。まあ、関係者にとっては興行成績や視聴率は重要なのだろうが、こちらは別にテレビ局の人間でも映画関係者でもないのだから、どうでもいいことである。おもしろいものを見せてもらえれば、それでいい。
  ということで、ついに第10話。ラス前である。
 まず、この雑文でも何度も不必要と断定していた悪徳医師の逆恨みによる陰謀は、あっさりと片がついた。というより、結局のところこの関係のエピソード自体が不要だったということを証明するような結末の付け方だった。再び書くが、脚本家の計算違いか、勘違いか、それとも単なる無能なのか。前シリーズでもそうだったが、この脚本家(森下佳子)、細かいところ(今回でいえば、龍馬が野風に贈った簪)や台詞(「洪庵先生に顔向けできません」)など実にうまいのだが、大きな枠組みとなると、いろいろ綻びが目立つ。いちばんいい例が、前シリーズのラスト。テレビ局の発表を鵜呑みにするなら、前シリーズの終了時には続編の予定はなかったということだから、だったらあの終わり方はないだろうと文句の1つも言いたくもなる。
 という文句から始まってしまったが、今回は坂本龍馬を救えるか、ということに終始したストーリーだったと思う。龍馬が亡くなった後も、大沢・仁の口からはもちろん、西郷や勝の言葉・行動にも龍馬の影が見え隠れしていた。なぜか仁先生の中では龍馬の声が聞こえたりする(この展開からすると、前シリーズの第1話で出てきた包帯男は仁で、その頭から出てきた「くりりん君」は坂本龍馬と考えられるのだが、果して?)。
 その結末は次回・最終回の楽しみにとっておくとして、佐藤・東の行動にはやはりちょっと無理なものが感じられたのは事実。兄を殺されたからというのは、いかにも動機として弱い。西郷の推測も成り立たないわけではないが、そこまで考えて行動するような人間として描かれてはいない。この東という創作上の人間、原作は読んでいないのでわからないが、少なくともドラマ上は龍馬を殺すだけのために無理矢理登場させ、無理矢理退場願った印象は否めない。もうちょっと何とかならなかったのか、という気がする。
 内野・龍馬の顔熱演(なんて言葉はないかな?)を別格とすると、今回、うまいなあと思ったのは、中谷・野風。出番は少なかったが、龍馬の遺品の簪をすっと髪に差すところなど、うまいなあ。このなんとも言えないうまさには、(若さと胸では圧勝しても(^^;)さすがの綾瀬・咲さんも勝てないと思わせるものがあった。あと、意外によかったのが小日向文世・勝海舟。この人、勝のべらんめい調はいいのだがどうにも軽すぎていまいちミスキャストかと思っていたのだが、相対する藤本隆宏・西郷隆盛の台詞回しがやや1本調子なこともあり、ドラマの終盤になってなかなかの貫禄と重みをうまく出した。全然負けていない。役者としての経歴の重さがそう感じさせるのだろう。逆に藤本は、まだまだ勉強不足だね。
 ところで、来週は、いよいよ本当の最終回。2時間の拡大枠だということだが、CMなど入るので実質1時間半。その90分で、すべての謎は回収されるのだろうか。まあ、タイムトラベルにはタイムパラドックスがつきもの。おおもとのタイムスリップ自体があり得ない話なのだから整合性などどうでもいいと言ってしまえばそれまでだが、映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」や「タイム・アフター・タイム」のように、タイムスリップというものを受け入れさえすれば、それなりの説得力をもつ解決ができるのかどうか。最大の難物は、どうやら坂本龍馬ではないのかと思われる「くりりん君」なのだが、さて納得のいく説明がされるのだろうか。期待とともにかなり心配でもある。

「JIN-仁-・完結編」最終回 ☆☆☆☆
 いよいよ最終回。
 何だか、あっという間に最終回(正確には「最終章・後編」)になってしまったような気がする。すでに何回も書いているように、ここまでくると、(前シリーズで肩すかしをくらっていることもあり)どう納得のいく結末をつけてくれるのだろうということが最大の楽しみであり、かつ心配事になる。で、結論から先に言うと、「くりりん君」の謎をのぞいて、思ったよりうまくまとめていたと思う。
 満足・納得して見終わることができた。
 タイムスリップ、タイムマシン、なんでもいいがいわゆるタイムトラベル物には常にタイムパラドックスがつきまとうので、あちらを立てればこちらが立たず、唯一絶対という解決はない(最近はこの手のまんがや映画がふえてきたので慣れている人には問題ないが、初めての人には戸惑いがあるかもしれない)。我々の論理体系は時間軸に沿って成立しているため、それが逆行すればあちこちに論理の破綻が生じるわけだ。
 この手の話になると、あれは実はこういうことでと、滔々と自説を力説する人物が必ず現れるのだが、実は、どんな解釈だって成り立つのだからあまり意味はない。そして、必ずどこかに矛盾が起こる。だから、タイムトラベルものは、その矛盾を悪く言えばうまくごまかして「あ、そういうことか」と観ている者を納得させ、その状況を切り抜けるところに「腕の見せどころ」があると言っていい。
 繰り返すが、細かいところをああだこうだと言ったところで結論は出ない。見方を変えればそれこそ無数の解答があるわけだ。最近の受験世代の人たちの中には「正解」は1つしかないと勘違いしている人もいるようだが、唯一絶対の解答を求めるのは無意味でしかない。タイムスリップものは、なるほどそういうこともあり得ますなぁ、と作り手の解釈を楽しむ態度で見るものである。
 たとえば「バック・トゥ・ザ・フューチャー」。雷で燃えた教会を再建しようというチラシを何気なくポケットに入れる→過去へタイムトラベル→現代に帰るには膨大なエネルギーがいる→しかしそんなエネルギーはその時代には雷くらいしかない→しかし雷はいつどこに落ちるのかわからない→ところがそれが(未来の)チラシによってわかる、といった筋立てなどがそうだ。「タイム・アフター・タイム」の未来に彼女が殺されることを新聞で知り、それをどう回避するのかという展開などもタイムトラベルの「ツボ」をよく押さえている。いずれも「なるほど」と思わせる展開・説明なので全体の大きなパラドックスをつい忘れて納得してしまうわけである。
(以下、ネタバレあり)
 今回はいきなり上野の攻防などもありこんな調子で謎の解決まで行き着けるのかいなと思っていたのだが、途中でやや強引ではあったが、現代に戻してしまう手法でうまく繋いでいったと思う。要するに、最終回になって(前シリーズの)第1回にループしたわけだ。包帯男の顛末などは予想通り。しかし、坂本龍馬というか、あの声はいかにも唐突。「くりりん君」の扱いについては、山本君の「解説」があったにしても、相当無理があると思う(タイムトラベルものに慣れている人には無用の解説だし、慣れていない人にはあの説明ではわからないと思う。「わからんぞー」というクレーム対策だろう)。もともと原作(前シリーズの始まったときにはまだ完結していなかった)にあったものだそうで、映像としてもインパクトがあるので出したのだろうが、いくら何でも説得力のある説明がされたとは思えない。原作者自身もよく考えていなかったのではないのか。「くりりん君」がいなくても本道・本筋には全く影響ないのだから出す必要はなかった。
 と、この点だけは文句の1つも言いたいところだが、それ以外の出来事がうまくしめくくられていたので(写真や手紙のくだりなど実にうまいものだ)、どうでもよくなった。タイムパラドックス前提の世界なので、細かいことをあげつらっても意味はない。人によっては仁と咲が一緒になれないのはけしからんなんて意見もあるだろうが、これはこれでアリだと思う。
 前シリーズ冒頭で、手術を頼まれても逃げていた仁が、ラストでは自ら進んで手術を行おうとする。つまり、「JIN-仁-」というドラマは、婚約者の脳腫瘍手術に失敗し、医者としての自信をなくし、人生の夢も失っていた大沢・仁が江戸時代にタイムスリップしたことにより様々な体験をし、自己のアイデンティティを取り戻す物語だったとわかるわけだ。大沢の「(手術を)始めます」という言葉に自信と責任感が感じられて感動的だ。
 また、ラストの平井堅の歌も、この締めくくりの内容に実によく合っていた。前シリーズのMISIAの歌の方がよかったとかいう意見もあるようだが、作品の内容がもはや「逢いたくていま」という個人的なことだけに留まっていないので、終わりまで見るとやはり締めくくりは平井堅の歌でなければならなかったということがよくわかる。
 最後まで見て「よかった」と思わせるドラマは、昨今のテレビ界にあって貴重である。テレビドラマが長い予告編で結末は映画でというフジテレビの「のだめカンタービレ」や「SP」などが「普通」のようになってしまっている中で、最後の「完」の文字がなんとも清々しく見えた。
 考えてみれば最終回の最後が「完」というのは当たり前のことなのだが、東電原発情報の垂れ流しや放射能がいくら「基準値」を越えても「安全」ですの大合唱・・・当たり前が当たり前になっていないところが現在のテレビの現状なのだろう。
 ここまで「完結」を強調しておいて、視聴者からの熱烈な要望により、映画化とかSPなんてことになったら、TBSのドラマはもう2度と見ないぜよ、と思っていたが素直に拍手を贈りたい。よくやった(^^)/。

★以下、思いつくままに★
・第4話に出てくる「おばばさま」の役者、「うまいなあ」と書いたが、後にTBSのサイトを見たら、なんと浅茅陽子だった。いやあ、老けぶりといい演技といい、お見事。ついでに書いておくと、第2話に出てくる大奥のキツーイおばさんは、伊藤かずえだった。本当に顔が怖い。だてにスケバンやってたんじゃなかったです。
・奥医師の多紀(相島一之)、シリーズ最初のころは蘭学を敵視する権力に凝り固まっただけの人物かと思っていたのだが、なんのなんの度量のある人物だった。最終回で、仁が設営した野戦病院に駆けつけ、「医者は、医の道を進むのみ」。いやあ、カッコイイ。かつての部下だった福田医師に、「我らに指図せよ!」と「命令」するところなど、存在感を見せつけた。相島、いい役もらったねえ。
・仁が図書館で見る本の写真の説明書きに、佐分利祐輔(桐谷健太)外科手術の第一人者、福田玄孝(佐藤二朗)東洋内科の創始者・・・などと書かれているのだが写るのが一瞬だけなので、山田純庵(田口浩正)以下は読み取れなかった(^^;。ここは、視聴者も「……よかった」と余韻に浸りたいところなのだから、1人ずつアップで写してくれてもよかったのでは(どうにも気になるので録画をコマ送りで再度見てみたら山田は「日本の抗生物質研究の始祖」と書かれていた。そういえば、ペニシリンのとき活躍したことを思い出した)。

★以下、単なる妄想★
 今回の最終回のうまい締めくくり方を見て、実はこれがもともと(前シリーズ)の締めくくりの予定だったのではないかとも思った。前シリーズで仁と龍馬が崖から転落するシーンがある(何話なのかは書かないので興味がある人はDVDでも借りて探してみてくれ)。幸いというか仁先生は助けられ、その後、しばらく行方不明だった龍馬も姿を現す。私は、てっきり崖から落ちた2人は現代にタイムスリップしてしまったのではと思ったのだが、何事もなかった。つまり、崖から落ちた意味がストーリーの上に全く反映されていないのだ。
 もちろん関係者は否定するだろうが、今回と違い前シリーズが放送前にはあまり期待されていなかったことは事実である。ところが尻上がりに評判になり視聴率もいい。視聴率不振のTBS上層部が、これは続編もいける、と想像できるではないか。そこから急遽細部の手直しをしてとりあえず謎は謎のままに終了。もともとの結末に向けて舵をとりながら今回のシリーズを作ったのではと考えるのだが、どうだろう?
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