SSブログ

震災・原発事故の風化 [日記・雑感]

 テレビを見ていても「3.11」の風化は明らかです。今年は、コロナウイルスの感染を避けるためという理由で追悼式も中止されたのですが、いい機会だと来年以降、国としてはもうやらなくなってしまうのではないのでしょうか。テレビも防波堤や原発の問題ではなく、みなさんがんばっています、という論調に傾いてきています。ボケ老人としては、忘れないためにもこの忘備録ブログに当時のメモを貼っておきたいと思います。
RIMG0001.jpg
★東京の大地震での問題点
2011.03.12
 今回の大地震、みなさまは大丈夫でしたでしょうか?
 実際に震度5という地震が起き、東京という大都市には様々な問題点があることが実感されました。あまりに問題点が大過ぎるので、とりあえず「情報」の問題だけに絞って書きましょう。
・携帯がつながらない ともかく携帯がつながりません。普段でもつながらないことに「定評」があるソフトバンクはもちろん、docomoやauもつながりません。そのため情報を得られないし送れないという事態になります。公衆電話など有線の電話はそれでもまだつながる確率が高く、私も3度やり直して自宅と連絡をとることができました。が、ほとんどの人が携帯を持っているし、通行の邪魔だということなのでしょう、公衆電話の数が極端に少なくなっているため、どこも長蛇の列です。災害時への対応など全く考えていなかったのでしょう。
・情報が入ってこない 出かけている人間がまず知りたいのは家族の安否であることは間違いないのですが、次に知りたいのは交通の情報です。動いているのか止まっているのか、止まっているのならいつ復旧するのか、それによってこちらの動きが違ってきます。で、まあ普通の人は、とりあえず駅に向かって歩くことになります。ところが、携帯が意味をなさないので、歩いている間、情報が全く入ってこないのです。こんなとき、よく田舎の村で放送があったりする街角スピーカーで情報を流してくれるととても便利なのに、とつい思ってしまいます。こうした情報伝達の点では都会は田舎より劣っています。またしても誰が立候補するのか見定めてから立候補宣言した、インチキ後出しじゃんけんが唯一の得意技である現都知事が無駄に浪費したオリンピック誘致費用を使えば、各所にスピーカーなり電光掲示板なりを設置できたはずなんですが。
・何も考えていない誘導マニュアル 日本一乗降客が多いと言われているJR新宿駅は文字通りごった返していました。ところが、スピーカーを持って出てきた駅員は、いつ復旧するのかを全く明らかにしないまま(「現在のところ復旧のめどはたっていません」でもいいのだ)「建物の中は危険です。無理に帰宅しようとしないでください。広域避難場所は新宿御苑になっています」を繰り返すばかり。多分、マニュアル通りにしゃべっているのでしょうが、これから夜になるというのに駅舎から追い出し、御苑に誘導するというのはどう考えても変でしょう。むしろ、普段から緊急事態に備えてシュラフや食料を確保しておき、駅舎を全面的に開放するというのが公共機関の努めだと思うのですが。
・連携アナウンスがない JRの駅員にきいてもJRのことしか言わないし、私鉄の駅員にきいても自社のことしか言わない。こちらは、どうやったら帰れるのかを手探りしているわけですから、連携して他社の情報も流してほしいのですが、それもありません。電車が全面的にストップしていても、バスは動いています。だったら、即座に深夜までバスを運行して便を図ると決定し、あらゆる手段でそのことをアナウンスすべきだと思うのですが、現都知事にはそん気はさらさらないようです。後刻仕方なく?バスの深夜運行を決めたようですが、混むと困るとでも考えたのか積極的なアナウンスは結局なし。私がそれを知ったのは延々と歩いて11時過ぎに家に帰り、テレビを見てのことでした。家に帰ってテレビを見て知ったところで、何の役にも立たんぞ、と思わずテレビに向かって怒りをぶつけました。
・結果的に一部私鉄と地下鉄の一部区間が間引きで動いただけで、JR東の管轄下のある都内の路線は全面的にストップしたままでした。何がなんでも山手線だけは確保して動かすという判断はなかったのでしょうか。山手線だけでも動いていれば私も延々と歩くことなく日暮里まで移動でき、そこから歩けばよかったわけです。JR東海が22:00過ぎには東海道新幹線を復旧させていたのとはえらい違いです。情報の問題と併せてJR東には無能な者しかいないのかと、再び怒り爆発。(▼▼メ)
・地震予知連絡会の無能ぶり 最後に・・・・・ 日本には「地震予知連絡会」(略して「予知連」などともいいます)という組織があります。東京大学地震研究所を中心に、北海道大学、東北大学、東京工業大学、名古屋大学、京都大学、九州大学など全国の有力大学の連携組織では。当然のように、何億という税金が投入されていると思われます。wikiによると東京大学地震研究所の2005年度予算は45億円なのだそうです。ところが、ある意味日本の英知が集まっているはずのこのメンバーの中で、今回のような大地震が起こると予想した者はの誰1人としていませんでした。テレビに出てきた地震研の准教授は「想定外」を繰り返し、得々と原因の後付けを語るのみ。要するに、「地震予知」なんてのは全くの絵に描いた餅であることが、はからずも今回はっきりしてしまいました。大先生たちは、いったい何を研究しているのでしょう? 有益な情報が全く発信されないこれらの組織は無用とまではあえて言いませんが、私には、「地震予知」とは予算を獲得するためだけの方便にしかどうしても思えないのです。

★「計画停電」という名の脅し
2011.03.13
「14日から3時間ずつ輪番停電、東電が実施発表」という記事が読売新聞に載っている。
「国の機能を守るため、官庁などの首都機能が集中する東京都23区については、荒川区を除き停電の対象地域から外れた」だって。荒川区は「第4グループ」で、13:50-17:30まで停電になるそうだ。この時間でまだばたばたやっていて、明日の朝からということで果して徹底できるのか。稚拙というか、あまりに早急すぎる気がする。「輪番停電」などの前に東京タワーなどのライトアップの消灯・ショップチャンネルと化している民放のBSデジタル(地震情報が必要ならNHKの3つあるBSのうちの1つにすればよい)の停止波。極端なことを言ってしまえば、地上波は情報伝達用としてNHK1波だけ残して全局深夜は停波してしまっていい。深夜営業の自粛など、あの「オイルショック」の時代を思い起こせば、やれることはいっぱいあるだろうが。どう考えても東電が突然のように言い出した計画停電なるものは、ホラホラみなさん原発がないとこんなに困るんですよという、原発反対の声がわき上がってくることに対する脅しでしょうが。そのあたりの検証、追求をなしにあたふたしている民主党政権。全く・・・無能政治家もここに極まれりというか、管はあカンですなぁ。

★どたばたの「無計画停電」脅し
2011.03.14
 グループ分けがまたまた変わり、23区で唯一エントリーされていた荒川区は第4から第5に移動。理由は定かではありませんが、地区名を見ると荒川区に隣接した区の一部も含まれるということなのでしょうか。グループ分けが一夜で変わってしまうあたりにも脅しを打ち上げてはみたものの細部を詰めずに発表した東電のどたばたぶりが見てとれます。結局、第1グループの停電(午前10時までの分)は実施されなかったようです。鉄道関係は関係ないなんて昨夜の段階ではアナウンスされていましたが、関係は大有り。運休が相次ぎめちゃくちゃになっています。何度も言うようですが、夜に発表して翌日朝から実施という計画にそもそも無理があり、さらに東電の内部がぐじゃぐじゃでわけがわからないことになっています。「計画停電」ならぬ「脅して遺伝」「無計画停電」「いきあたりばったり停電」といったところです。さらに、無能政府が東電のダッチロールをコントロールできないのでもうめちゃくちゃですな。
 以下の都内のリストを貼っておきますが、朝の発表なので二転三転する可能性は大いにあります。責任はもちません。
★第1グループ(14日午前10時までと午後4時50分~午後8時30分に停電する可能性がある市町村)武蔵野市、三鷹市、西東京市、東久留米市、小平市、小金井市、東村山市、清瀬市、杉並区、東大和市、練馬区
★第2グループ(14日午前9時20分~午後1時、午後6時20分~午後10時に停電する可能性のある市町村)あきる野市、稲城市、国分寺市、国立市、狛江市、三鷹市、小金井市、小平市、昭島市、西東京市、多摩市、町田市、調布市、東久留米市、日野市、八王子市、府中市、武蔵野市
★第3グループ(14日午後0時20分~午後4時に停電する可能性のある市町村)都内なし
★第4グループ(14日午後1時50分~午後5時30分に停電する可能性のある市町村)稲城市、国分寺市、国立市、狛江市、昭島市、世田谷区、足立区、大田区、町田市、日野市、八王子市、品川区、武蔵村山市、目黒区、立川市
★第5グループ(14日午後3時20分~午後7時に停電する可能性のある市町村)葛飾区、荒川区、足立区、台東区、町田市

★東電は混乱の原因を間違えていないか?
2011.03.14
 東電のネコの目計画にふりまわされた1日でした。まるで「オオカミ少年」です。ノートパソコンのほうはともかく、デスクトップパソコンのほうはいきなりシャットダウンされるとHDDがクラッシュする恐れがあるので怖くて使えません。今日もまた、ぐだぐたの「計画」停電でいくんでしょうねー。「迷惑」と「混乱」の原因は、停電そのものよりも、いつどこでどれくらいの規模で停電が実施されるのかということが(発表がころころ変わるため)わからないためだということが、東電はわかっていないんでしょうなぁ。あるいは、わざとやっているのか。こういうときこそ企業の真価が問われるわけですが、自己保身のみ考えているは東電は完全に落第ですな。さらにわかっていないのは、いつも「後だしじゃんけん」のインチキ都知事と無能政府。困ったことです。
 さらに、どうやら東電には原発事故に対するきちんとした危機管理マニュアルがないらしいこともわかってきました。原発は安全だという大前提があるので対外的にも対内的にも、事故を想定した危機管理マニュアルを作ることが禁止されていたのではと、邪推してしまいます。
 子どものころ「チリ津波」というものがあり、多くの人が亡くなりました。にもかかわらず、そのときの教訓がほとんど生かされていないことが今回の津波でわかりました。原発には大量の水が必要だからとわざわざ海岸段丘を削り、海面に近い場所に原発を作ったらどうなるのか、今回の大災害には人災の側面がかなりの比重であるのではと思います。今回の災害が教訓として未来に生かされていくのか、それとも数年で風花してしまうのか。残念ながら後者のような気がしてなりません。

★班目さんさっさと辞めてください
2012.03.23
 安全の検証などそっちのけで原発を推進してきたおっさんが震災後1年経っても委員長ということがすでにアンビリバブルです。そもそも原子力安全委員会の班目春樹委員長といえば、浜岡原発裁判で「そんなこと(厳密な安全性)を言っていたのでは原発はできないじゃないか」とのたまったお人です。
 日テレドキュメントでも安全委員会のマニュアルに「全電源喪失は想定する必用はない」と書かれていることを指摘されて「(そう書かれていることを)知らなかった」とのたまったお人です。単に御用学者といったのでは、御用学者に失礼でしよう。「水素爆発はない」なんて断言した人ですよ。学者でも何でもない単なる無知・無責任なお人です。にもかかわらず今まで委員長を辞めようともしなかったのは、常識ハズレというか、図々しいというか、鉄面皮というか、単なるアホなのか、要するに常識では計り知れないお人のようです。
 普通なら原子力安全委員会が全くダメダメだったわけですから、速攻で委員長以下総とっかえして事に当たるというのが常識だと思うのですが、年度末(3月末)になったら考えるなんて細野は答弁しています。無責任なアホとしか言いようがありません。
 ついでに書いておきましょう。
 被災地は復興に向けていっしょうけんめいなんでしょうが、テレビや新聞の「感動物語」にはもううんざりです。必要なのは復興の現状と今後のスケージュールに関する具体的な情報です。
 それと、もう1つ、大震災による被害と原発事故による被害とはきっちり分けてやってほしいですね。瓦礫の処分など予定通りに進んでいないのは放射能の恐れがあるからです。税金にしても復興財源のため云々と言われていますが、震災の復興に使われるのならともかく、原発は安全なクリーンエネルギーなんて大嘘をついて儲けてきた東電の事故処理なんぞに使ってもらいたくないですな。
 電力は必要だから困ったら値上げすればいい。値上げは「権利」である。なぜそんな傲慢なことが言えるのかといえば、独占企業だからです。普通の会社ならとっくに潰れていますから、やはり東電は潰すしかないでしょう。とりあえず国の管理下におき、発送分離も含めて集中的に議論すべきでしょう。もちろん、今後のエネルギー政策についても脱原発でいくのか、あいからわず原発に頼っていくのか、はっきりさせてもらいたい。
 ちなみに、そもそも廃棄物の処理さえ決まっていないのにそれを未来に先送りして原発を稼働するというエネルギー政策は、私には正気の沙汰とは思えません。東電が脱原発を宣言し、自然エネルギーなどの利用について研究していくということなら、多少の料金値上げでも、「まあ仕方ないか」と、払いますよ。

★ついでというわけでもないが、原発問題をとりあげた映画として「人魚伝説」を再度とりあげておこう。
「人魚伝説」☆☆☆★
 映画を政治的な問題で評価すべきではないと思っているのであまりストーリーにはふれないで書こうとしたため前回の感想はとても中途半端なものになってしまったわけだ。ただ、やはり2011年(平成23年)3月11日の東日本大震災を経験し、あれほどの原発被害が出て未だに帰れない人が多数いる。にもかかわらず、そんなことはなかったかのように全国の原発再起動が認可され続けている現状を見ると、「映画は映画で評価」するべきものとは思うもののこちらも生身の人間。私のようなぼんやりしている人間でも、やはり、考えるところはある。
 最近の原発再稼動の流れを考えると前回の感想をそのまま放置しておくわけにはいかなくなったわけだ。
 1984年というから、もう35年も前の映画である。
 当時、白都真理のヌード目当てに見に行った(^^;映画だが、今見ると映画としてのその今日的視点の的確さ鋭さに驚かされる。詳しいストーリーは書かないが、ほんの一部の人間を除いて原発反対の声など社会的にはあまり聞かれなかった時代である。
 それどころか「(福島の)原発事故で死んだ人いましたか」発言の勝間和代を筆頭に、草野仁、北村晴男、玉木宏、高橋英樹、伊藤四郎、森高千里、榊原いくえ、岡江久美子、大槻義彦、薬丸裕英、茂木健一郎、養老孟司、弘兼憲史、荻野アンナ、故人では星野仙一、渡瀬恒彦、児玉清・・・、無責任に原発を持ち上げた有名人はそれこそ星の数ほどいる。
 それらの「有名人」が連日のように「原発は安全」だとくり返し原発推進を笑顔で訴えていたわけだ。ただ、そのことを自己批判したのは佐野史郎くらいのものだろう。つまり、ほとんどの人間は原発CMの黒歴史など知らんぷりをしてバラエティ番組で大笑いなどしているのが現在の日本である。
 さらに、原発規制委員会という名の推進委員会が次々と原発の再起動と延長を許可している。笑っている場合ではないのだ。先の北海道の大停電も、何が何でも原発は動かすんだという北電の政策が引き起こしたものだと私は思っている。
 そんなことを考えながらこの映画を見ると、ラストは本当に鬼気迫るものがある。復讐だからといってあんなに人を殺すのには違和感がある、たかだか女1人にあれほどの殺戮ができるはずがはない、突然嵐になり大波が起こるのは都合がよすぎるなどという的外れな批評があるのは承知。
 この映画のタイトルが「伝説」であることを留意しての批評とはとても思えない。
 以前の感想のタイトルは「ファンタジーだった『人魚伝説』」
 ファンタジーというと何となく軽い感じがしてしまう気がするので、フォークナーの作品名に習ってこの映画は「寓話」なのだととりあえずいっておこう。彼女が「今晩大嵐を」と祈ったから嵐になったのだ。スプラッタ大嫌いの私がこのラストを真顔で最後まで見たのだからその出来映えを想像してほしい。
 白都真理は、本当によくやったと思う。
 全裸での濡れ場シーンもまさしく「必然性」があり、吹き替えなしの水中シーンにしろ、ラストの体力の限界まで遣り尽くしたがんばりといい、見ているこちらも息が苦しくなったほどだ。血まみれのあの顔はまさに「伝説」の鬼。鬼となった彼女の怒りは海の怒りであり、自然そのものの怒りであることが納得できる。十分★1つプラス、いや★2つに価する。
nice!(9)  コメント(8) 
共通テーマ:日記・雑感