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歌舞伎版「風の谷のナウシカ」視聴完了 [映画・文学・音楽]

 見始めるとつい見てしまうという悪癖のため、午前1時半までかかって全6時間の大作視聴完了。いやあ、おもしろかったけど、(演じる役者も大変でしょうが見るだけの当方も)疲れました。まずは、視聴完了のご報告まで。m(__)m
ナウシカ.jpg
https://www.youtube.com/watch?v=Md5a_EavdzE
https://www.youtube.com/watch?v=vLV39w1W1Y0
https://www.youtube.com/watch?v=yCTurOyI_VU

※個人的には連獅子で盛り上がったものの、終盤の会話に次ぐ会話はやはり説明過多。全体のクライマックスなのに何を言いたいのかほとんどわからない(原作まんが自体がわかりにくいのだが、読んでいない人にはナンノコッチャわけがわからないのではないだろうか)。
 これは、原作をなぞり過ぎた欠点だと思う。仕事がなくて、「アニメージュ」の誘いにのりまんが連載を始めたものの、アニメが軌道に乗ってくると、もともと宮崎駿はアニメの人なのでどうしてもそちらに関心がいってしまう。まんがは負担になる。しかし、構想はたてていたのだし、ここまできたら完結はさせたい。と思ったかどうかは知らないが、原作のまんがもラストは会話に次ぐ会話。私の個人的な意見としては、これはもうまんがとして成立していない。最後のいわばラスボスとの対決が会話のみで進行するため、こちらの心に届いてこないのだ。絵物語というか、劇のシナリオに挿絵がついているようなものだ。会話のみではなく絵として実現させようとしたら、倍、いや3倍の誌面(時間)がいる。その原作を決められた時間(6時間ということ自体ある意味限界を超えている)内でやりきろうとしたところに無理があったのだと思う。
 ジブリの鈴木プロデューサーが言うように、「ナウシカ」全編の歌舞伎化なんてものは、そもそも「無謀」な試みなのだ。その無謀に挑戦したこと自体拍手喝采なのだが、せっかく宮崎駿も「(『風の谷のナウシカ』という)タイトルさえ変えなければ好きにしてもらっていい」と言ってくれているのだから、会話のみで進むラストの作劇は、原作にとらわれ過ぎず簡略化にもうひと工夫あってよかったのではないかと、これはあくまで個人の感想です。(^-^)
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