SSブログ

これはひどい!「多十郎殉愛記」 [映画・文学・音楽]

 突然4月並の気温になったり、その翌日には10℃も下がったり、晴れた翌日は雨でその翌日はまだ晴れる、・・・昨日(3/14)東京の最高気温は10℃に達せず氷雨から霙、雪、雨と変化してやみました。あいかわらず不安定な日々が続いています。
 加えて、後手後手の安倍ちゃんによるコロナウイルス水際作戦の大失敗とその後の思いつき適当発言の連続。「ここ1〜2週間が山場」だと言い続けているため「山場」がどんどん長期化しています。最初に発表された「1〜2週間が山場」の2週間目に野党議員が見通しを訊いたら「今が山場」。ようするに政府は実態を何もつかんでおらずその場限りの発言に終始していることがわかりました。なにしろ、「専門家に聞かずに決めた」んだそうですから。
 こんな状態なので年寄りとしてはあまり出歩きたくないわけで(自民党の松川るい議員に「高齢者は歩かない!」なんてまた言われそうですな(^^;)、つい家に閉じこもって映画とかドラマを見ることになります。それが傑作とは言わないまでも、そこそこ満足できる作品ならいいのですが・・・。

「多十郎殉愛記」★

 監督は中島貞夫。私が見たのはヤクザ物が多く「893愚連隊」「鉄砲玉の美学」「脱獄広島殺人囚」「日本の首領」「総長の首」など。「真田幸村の謀略」「序の舞」など映画の出来としては落第だが、「真田」は中村錦之介(萬屋錦之介とは書きたくない)が出ていたので、「序」は名取裕子の裸が見られたので許す。名作、傑作は皆無だが、金を払って見て、腹が立つような映画がなかったのも事実。いずれも暇潰しにはなった。その中島監督久しぶりの映画だという。ちょっと嫌な予感もしたが、まあ暇潰しにはなるだろうと思って見てみた。
 主演の長州藩脱藩・清川多十郎に高良健吾、ヒロインに多部未華子。そのほかに山本千尋、永瀬正敏、寺島進ら。私的には栗塚旭がちょい役で見られたのが懐かしい(テレビの「燃えよ剣」や「俺は用心棒」などよかったなぁ)。

 嫌な予感は「見事に」的中した。
 時は幕末。脱藩して世を拗ねている多十郎を捕らえようとする京都見回り組とのチャンバラが後半のメインになるのだが、話があまりにベタでヘタレ。高杉晋作、坂本龍馬あたりの大物ならともかく、たかだか脱藩浪人の多十郎になぜあれほど大掛かりな布陣を敷くのかもよくわからない。私のような歴史音痴にはよくわからないのだが、幕末の京都というとなんとなく新撰組をイメージしてしまう。その新撰組にほとんど触れていないのだが、当時の京都は見回り組がすべてを取り仕切っていたののだろうか。ま、別に歴史の勉強をするために映画を見るわけでもないので、どうでもいいことなのだが、ちょっと気にはなった。

 問題は、最大の売りであるラストの大チャンバラ。
 サイレントのバンツマ(阪東妻三郎=田村正和の父)「雄呂血」を意識したのだろうが、中島監督爺さん、いったい何をしたかったのだろう。ただただ延々とチャンバラを見せられるのは退屈を通り越して、ほとんど苦痛だ。チャンバラの間に多十郎が一時逃げ込む小屋の父娘の行動も意味不明。剣の達人だったはずなのに多勢に無勢ならまだしも、最後はタイマンでいともあっさり・・・( >_< )。正直、ええーっこんなんでいいのと思いましたね。中島監督、ボケたか。90歳近くてもそれなりの作品を作り続けているクリント・イーストウッドとはえらい違いだ。

 多部未華子や山本千尋、寺島進などなかなかいい味を出してはいるのだが、これでは報われない。クレジットを見ていたら製作によしもとクリエイティブ・エージェンシーなんて出てきたが、マジ?(補足しておくと、かつての吉本興業は現在では吉本興業ホールディングス。よしもとクリエイティブ・エージェンシーは社名を吉本興業と変えている。あー、ややこしい(^^;)この時点で、見るだけ時間の無駄、と判断すべきだった。
 予告編に「中島貞夫監督、20年ぶりの映画」なんて出るが、こちとらおもしろい映画を見たいだけのことで、何年ぶりだろうが、そんなの関係ネぇー。また、「日本映画史に残る本格時代劇誕生」とも出るが、あまりにも不出来なクソ時代劇として日本映画史に残るのかもしれない。周囲に誰か助言できる人間はいなかったのか。トップがボケで周囲が忖度では、今の安倍政権と同じでろくなものになりゃあしねえ。
 ポスターを見ると「行き場を失った男と女の悲恋の果て」なんてあるが男女の掘り下げが浅いのでどうでもいいやと思ってしまう。「ラスト30分の壮絶な死闘に泣け!」ともあるが、腐れボケッ、泣けるか、こんなゴミ駄作で。

 たかだか1時間半の映画なのに退屈してストレスが溜まる溜まる。
 たとえ暇で時間がありあまっている人であったとしても、この映画だけは見ないことを強くお勧めする。昼寝でもしていたほうが精神的にもはるかに体にいいはずである。無☆でもいいのだが、多部ちゃん以下の努力を買って★一つだけ進呈。これでも大甘採点であるぞよ。ぷんぷん。[ちっ(怒った顔)]

↓予告編
https://www.youtube.com/watch?v=89G72zWwq3E
多十郎.jpg
☆★は、尊敬する映画評論家・双葉十三郎さんの採点方法のパクリで、☆=20点、★=5点(☆☆☆が60点で「可」。合格というか、まあ許せるラインということです)
nice!(7)  コメント(4) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 7

コメント 4

wildboar

漢字が読めないだけでなく、安倍ちゃんの国会答弁や記者会見で、言葉の区切り方がおかしくないかと思いませんか?
肯定しているのかと思うと否定になっている。「、」の区切り方がマズイと思うのですかが。

by wildboar (2020-03-15 11:43) 

アニマルボイス

言葉尻を捉えられないようにやっているのだろうと思っていましたが、私も最近は、「読めない」のだろうと思うようになりました。云々のデンデンだけの人ではなかったんですねえ。
こういう人間が「専門家の意見は聞いていない」で決断し、お友達内閣の面々は、法務大臣・森おばさんを代表にボロボロ。こういう人間が日本の進路を決めているのかと思うと、これからの人たちは大変ですねえ。
なお、日本語に精通している安倍ちゃまですから、言葉の区切りがおかしいというのは、小室哲哉あたりからの歌詞の変な区切りを見習っているのかもしれませんよー。(^^;
by アニマルボイス (2020-03-15 12:57) 

JUNKO

昨日のニュースで「かんぱつを入れず」と言っていた気がします。
by JUNKO (2020-03-15 14:59) 

アニマルボイス

「間髪」の元々の意味もわかっていないのではと思うのですが、なんだかこれくらいのことでは驚かなくなってしまいました。こういう「慣れ」はよくないんですがねー。(@_@;)
by アニマルボイス (2020-03-15 17:11) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。