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ヘレン・ミレンは凄い! [映画・文学・音楽]

 「カレンダー・ガールズ」(Calendar Girls 2003)という映画を見た。
 なんとおば樣方が、地域の病院が最新の医療器機を買えるようカレンダーを売ってその収益金を寄付しようというお話。というと、心温まる映画のように思えるかもしれないが、普通のカレンダーでは全然売れないので、自分たちが裸になってヌードカレンダーを作って売ろうというところがブットンデいて(そう考える伏線は一応ある)、さらにこれが実話だっというのだから、腰を抜かす。
 主演はヘレン・ミレン。
 「クィーン」(The Queen 2006)のヒロイン、エリザベス2世役でアカデミー主演女優賞、ゴールデングラブ賞主演女優賞、ヴェネチア国際映画祭女優賞、イギリスアカデミー賞主演女優賞と主な映画祭の主演女優賞を総なめにした大女優である。日本の「大女優」とちがうところは、単なる女王様女優ではないこと。貴族とか上流階級の女性を専門に演じる女優、庶民派と言われる女優、そして脱ぐのもいとわない女優等々・・・芸能の世界にはいろいろな女優がいる。しかし、英国女王、「ハムレット」のヒロイン清楚なオフェーリアもやれば「カリギュラ」ではヘア・ヌードもやってしまい全裸での絡みもOKという「何でもこい」の大女優は、ヘレン・ミレン唯1人だと私は思っている。ジョン・ブアマン監督の「エクスカリバー」(アーサー王伝説をブアマン風に改作した異色。1981)で初めて彼女を知ったのだが、このときはアーサー王の異父姉で魔女ともいえるモーガナ役。それが「2010年」(1984)ではロシアの宇宙船レオーノフ号の船長、さらに「RED」(2010)になると伝説の女スナイパー。そのどれもがそれらしく見えるというのが、ヘレン・ミレンの演技力の凄さだ。
 そして、「カレンダー・ガールズ」である。1945年生まれなので、この映画のときは58歳のはず。にもかかわらず、巨乳は健在でしかも中途半端なことなどせず、乳首もしっかりとさらけ出しているところが、すごい(まあ、若いころと比べるとさすがに垂れてはいたが(^^;)。確か、70歳になったときにようやく「もう脱がないわよ」宣言したくらいだから、女優としての根性が違う。今回も、田舎のちょっと活発なおばさんを、いかにもそういうおばさんいそうだなあ、と思わせる名演技である。
 宣伝のためマスコミに通知したのに誰も来ていないのでがっかりしていると、係が会場を変更しましたとやって来て、そこへ行くとマスコミ連中の山なんていうシーンもあってニヤリとさせてくれる。傑作というところまではいかないが、退屈せずににこにこと見られて後味もいいので、暇潰しを考えている人には、ぜひお薦めしたい。
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※GWの暇潰しというか時間はあるのに金はないので、少し昔の映画「空母いぶき」を見てみたが、これは暇潰しにもならない駄作だった。マスコミ宣伝のためにという名目で乗船させている本田翼と小倉久寛がいらいらするほど邪魔。コンビニシーンなどどうでもいいシーンも多すぎ緊張感をだいなしにしている。こんな映画を見て人生の限られた時間を台無しにしてはいけないのだが、後悔先に立たず。
※もう1本、ヘレン・ミレンの繋がりで「2010年」を久しぶりに見てみた。「2001年」ほど画期的な映画ではないものの、「カプリコン1」「サウンド・オブ・サンダー」などSFの佳作を手がけているピーター・ハイアムズ監督なので、やや会話シーンが多いかな程度で退屈せず集中して見ることができた。唯一気になったのはディスプレイがすべてブラウン管ということ。この頃(1984年公開)はまだ液晶パネルは一般的ではなかったのかな?
※実は、このGWは映画週間と決めていたので、さらにもう1本「ゴジラ-1.0」を見たのですが、この映画の感想と別に書きます。
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