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「スターウォーズ」の終焉 [映画・文学・音楽]

 所用で武蔵境まで出かけたのですが、幸い雨は無事でした。帰りにスーパーの福引き券を2枚、ガラガラ。もちろん?外れ。全開までそのスーパーで使える50円券だったのが今回はポケットティッシュのみ[もうやだ~(悲しい顔)]。こんなところに安倍イイカゲンミクスの影響が出ているようです。

 「スターウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」が全世界一斉に公開された。
 まあ、儲かるから次々と作る。一言で言えば、それがすべてだろうが、とりあえず「スターウォーズ」シリーズはこれでオシマイということになっている。多分、「シリーズを締めくくる傑作」なんて太鼓持ち評論家の批評があちこちに出てくるんだろうなぁと思う。私は、第1作(epi4)を渋谷の映画館で見て以来、40年間もこのシリーズにつき合ってきたわけだが、最後の最後にきて、どうしても劇場まで足を運ぶ気になれないのだ。理由は簡単。「スターウォーズ・シリーズ」は、私の中ではepi4-6で完結しているからだ。
スターウォーズ.jpg
 「スターウォーズ」3部作(epi4-6)が完結して何年も音沙汰がないので、これで終りなのかなと思っていたら、突然epi4以前の3部作(epi1-3)が作られた。epi1公開当時、少年がかわいい、なんて書かれていたがその少年がepi3ではあのダース・ベイダーになることは「保障」されているのだから、この先どうなっていくのだろうというワクワク感はゼロ。さすがにもう劇場まで見に行く気にはならないので、後日、WOWOWで放送される度に見たのだが、新3部作は予想通りたいしておもしろいものでもなかった(劇場の大きなスクリーンで見なければダメだろう、という異論があっても、テレビ画面ではその映画の真価はわからないと私も思うので、反論はしない。あくまでテレビ画面で見ての感想だと考えてほしい)。
 それでも、原作者でepi4の監督でもあるジョージ・ルーカスが、「ダース・ベイダーの誕生からその死までを描いて、スターウォーズは終わった」と語った言葉には、そうだったのかと、ある意味妙に納得した。「スターウォーズ」の主人公はルーク・スカイウォーカーではなく、ダース・ベイダーだったのだ。

 ところが、その「完結した」と思っていた「スターウォーズ」の本拠地ともいえるルーカス・フィルムがディズニーに買収され、いきなり「スターウォーズ7フォースの覚醒」が作られてびっくり。「終わった」と明言したルーカスは詐欺師のようなものなのだが、もう関係ないもんね、という感じで終わったものの続編がなぜできたのかについての説明はなし。
 ディズニーも、さあ新しい物語ですよと女性主人公を誕生させたものの、さすがに新主人公では連続性を保てないと考えたのか、epi4-6で活躍した3人、ハン・ソロ役のハリソン・フォード(連続性以外に出す意味あったのかと思えるほどの無駄死に)、レイア姫役のキャリー・フィッシャー、ルーク・スカイウォーカー役のマーク・ハミル(最後にワンカット)といったご老体の面々を引っ張りだしてきた。明らかにお子ちゃま向けに作られたクルクルドロイドのほかに、C-3PO、R2-D2も出てはくる。
 しかし、一旦終わった話を、その後ああなってこうなって状況は以前より悪くなっている、と言われてもepi6で新デススターが破壊され、銀河皇帝も消滅したことを知っている者としてはどうしても納得がいかない。正直、つまらなかった。

 なんだか「エイリアン」や「ターミネーター」みたいになってきたなあというのがepi7を見ての正直な感想だった(要するに、だんだんつまらなくなり、めちゃくちゃになってしまう(^^;)。それでも儲かったのだろう。予告通りに「スターウォーズ8最後のジェダイ」が作られてしまった。
 ディズニーとしては、儲かるうちにどんどん作って設けようということなのだろう。この作品にも、キャリー・フィッシャー(本作が遺作になった)、マーク・ハミル(ハリソン・フォードよりは意味のある死に方?)、ファルコン号もチューバッカもC-3POもR2-D2も、そして、あのヨーダまで出ては来るのだが、私にはこれがあの「スターウォーズ」の続編にはどうしても見えないのだ。どうでもいいような話(と私には思えた)を延々2時間半も見せられるのは、はっきり言ってうんざり。

 「ローグ・ワン/スターウォーズ・ストーリー」「ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー」というサイドストーリー(最近は、スピンオフという)に至っては論外。「ローグ・ワン」はepi4の直前の時期を描いているのだが、こちらはすでにデススターの設計図がレイアに渡ることを知っているので、データが送れるかどうかのシーンを見ていて全くハラハラしないのだ(そもそもepi4で映し出されるデススターの線画の設計図を見ると、転送にあれほど時間がかかるわけないだろう)。「ハン・ソロ」も同様で、危機に次ぐ危機の連続なのだが、ソロがepi4でルークたちと出会うことはわかっているので死ぬなんてことは考えられず、これまたハラハラドキドキは全然なし。2作品とも、ひたすら儲かればいいとディズニーの商魂が作り出した駄作である。
↓「ローグ・ワン スターウォーズ・ストーリー」についての雑文
https://meisoud.blog.ss-blog.jp/2017-03-06
↓「ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー」についての雑文
https://meisoud.blog.ss-blog.jp/2018-11-14

 繰り返すが、「スーパーマン」「エイリアン」「ターミネーター」、そして最近では「ブレードランナー」。どれも続編が作られるたびに出来が悪くなっていってシリーズ(あるいは前作)の評価を落としている。「スターウォーズ」に関しては明らかに最初の3部作(epi4-6)のほうが後の3部作(epi1-3)より出来がよく、さらに言えば結局のところ第1作(epi4)を超える作品は40年かかっても遂に出なかった。
 その出来の良くないepi1-3よりも今回の3部作(epi7-9)はさらに出来が悪い(まだepi9は見ていないがほとんど確信している)。というか、もはやここまでくると「スターウォーズ」というタイトルはついていても、私の知っている「スターウォーズ」とは別物と考えるしかない。やはり、まだ頭がおかしくなっていなかった頃のジョージ・ルーカスが語ったように「スターウォーズ」は、ep1-6で完結したのだ。epi7以降は似たようなタイトルがついてはいるものの、全くの別物だと思うことにしよう。

 権利をディズニーに売り飛ばしたジョージ・ルーカスは「最後のジェダイ」を「Beautifully Made.」と言ったと伝えられているが、とうとう欲ボケが進行して完全にボケたか???
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リス太郎

落語にも支離滅裂なものがありあす。『深山隠れ』(みやまがくれ)とか、途中から主人公がすり替わる。You Tubeで早逝した桂吉朝師匠のものが聴けます。
https://www.youtube.com/watch?v=OGO60cLLLgY
映画は「儲かればいい」という部分もあります。落語もそうです。そしてどちらも「おもしろければいい」わけでしょうね。
by リス太郎 (2019-12-22 09:20) 

アニマルボイス

もちろん、おもしろければいいのですが、おもしろさには大笑いしてのおもしろさだけでなく、感動してのおもしろさというものもあるわけです。ま、そんなわけで、一言で言って「おもしろくない」ということですな。
by アニマルボイス (2019-12-22 14:50) 

wildboar

安倍イイカゲンミクスが浸透してしまって、近くの郵便局や不動産業の人たちに振り回されています。
向こうは、そういう意識が全くないので困りものです。
by wildboar (2019-12-22 15:35) 

アニマルボイス

全く。
やばいとなれば記録はすべて破棄。で、記録がないのでわかりません。森友も加計もそれでうやむやにしてきたので、今回の桜も年を越せばうやむやになると思っているのでしょう。
by アニマルボイス (2019-12-22 16:19) 

リス太郎

「おもしろい」って、場面場面でいろんな意味を表わす言葉ですよね。漫才でも落語でも「おもしろい」の意味がいろいろです。いまM1で「すゑひろがりず」が演じてますが、これはまさしく三河萬才の現代版で、漫才の歴史に思いを馳せるおもしろさがあります。
by リス太郎 (2019-12-22 20:07) 

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