SSブログ

そっくりの難病ベタ映画を作るな! [映画・文学・音楽]

 気温が寒い帯域での乱高下。まるで安倍独裁政権を見習っているような年寄りいじめの季節とでもいいましょうか、体調も気分もあまりよくありません。雨天が続いているということも関係あるのかもしれません。てなわけで、昨日(11/26)も雨が降ったり止んだりでしたが、気分転換も兼ねて整骨院に行ってきました。
 新しく撮った写真もないため昨日はブログ更新をお休みしたわけですが、さすがに2日連続でということになるとボケ対策の忘備録にもならないので、少し前に見た映画の感想でも貼っておきましょう。

「君は月夜に光り輝く」☆☆★★★

 奇妙な題名の映画がYouTubeにアップされていたので、SFかファンタジー映画だろうかと思って見てみた。大昔に「光る眼」というイギリスの佳作SF映画があったのでそれからの連想だと思う(原作は「トリフィドの日」のジョン・ウインダム。「トリフィドの日」を映画化した「人類SOS」よりはるかにおもしろかった)。ところが、これが大まちがい。またかという感じの「期間限定」難病物の映画だった。

 ヒロインの渡良瀬まみずにはNHKの朝ドラにも出た永野芽郁、相手役に北村匠海。監督・脚本は月川翔。原作はライトノベルかまんがだろう(推測です)。永野は発光病という不治の病に冒されており、余命と言われた1年をすでに過ぎてしまった女子高生。北村はその永野にクラスの寄せ書きを届けにきたのだが、ひょんなことから彼女の「代行」を行うことになる。彼女が遊園地に行きたかった(行けないので)代わりに北村が行くわけである。きらきらスマホが欲しかったが人気なので並ばないと買えない。北村が代わりに並んで買ってくる、カラオケ、メイド喫茶のメイドといった「代行」が続く。いつの間にか彼女との距離は縮まっていくのだが、月の光の中で口づけをかわした2週間後、彼女は死ぬ。彼女の葬式で北村は、彼女の最後の命令(願い)を実行する。

 ここでまず気になるのは、発光病という病気。
 甲殻類にある種の細菌がついて発光するという話は聞いたことがあるが、人間がそういった症状になるというのは聞いたことがない。架空の病気だろう。ありきたりの「がん」闘病ものにはしたくなかったのだろうが、冒頭からそう思ってしまったためヒロインの切実感、現実感があまり伝わってこない。そのため、ヒロインと北村クンの行動が単なる「代行遊び」にしか見えない。作者は、あまり生々しいものではないロマンチック・ファンタジーを書きたかったのかもしれないが、死が近づくと光が増すなんてあまりにリアリティーがなく、年寄りは馬鹿馬鹿しいと思うだけだ。まあ、ヒロインは主人公との交流の中で生の光を増していくので象徴的な意味もあることはわからないではないが、それなら別に発光病なんていう噓くさい(事実「噓」なのだが)病名にする必要などなかったのではないか。

 死を目前にしながら元気(を装う)ヒロイン。ひょんなことから彼女と知り合う主人公。いつしか2人は魅かれ合っていく・・・、どこかで見たパターンだなと思ったら、「君の膵臓を食べたい」とほとんど同じパターンではないか。おいおい、こんなにそっくりでは「膵臓」の製作者から「パクリ」と言われてしまうぞと調べてみて驚いた。ナントナント監督・脚本の月川翔は「君の膵臓を食べたい」の監督だったのだ。しかもだ、主人公の高校生まで同じ北村匠海。おいおい×2、こりゃあいったい、どういうことだ[がく~(落胆した顔)]

 もちろん、すべてが同じというわけではない。
 しかし、難病に冒されているヒロインの限られた短い人生を、彼女と寄り添うように生きる主人公とが精一杯生きるという基本パターン、枠組みは全く同じ。予定調和の如く彼女が死ぬのも同じ。しかも、そのヒロインに寄り添う男性俳優までもが2作とも同じ俳優。これではワンアイデア(それもベタベタのワンアイデア)で2本の映画を作ってボロ儲けを企んだとしたとしか思えない(「膵臓」は30億円以上も稼いだ)。しかしだ、ワンパターンの映画を2本も見たいと考える人間が何人いるのだろうか。それをわかっていて、タイトルを変え違う映画と見せかけてそっくり映画を2本も作ったとしたら、観客をバカにするにもほどがある。少し間があるからいいんじゃないかということなら、完全な悪徳商法であり、詐欺師と言っていい。凡作からさらに怒りの★1つマイナス[パンチ]

 「一粒で二度おいしい」は、グリコだけにしてもらいたい。
 映画は一粒で十分、二粒なんて全く必要ない。名作を二度、三度と見るのには意味があるのだが、そっくり映画を2本見る意味は全くない。「膵臓」の浜辺さん同様、今回のヒロイン永野さんもなかなかいい感じの自然な演技だったのに、もったいない。
↓予告編
https://www.youtube.com/watch?v=wEAAH77puQA
月夜.jpg
「君の膵臓を食べたい」についての感想は、
https://animalvoice.blog.ss-blog.jp/2019-10-07

☆★は、尊敬する映画評論家・双葉十三郎さんの採点方法のパクリで、☆=20点、★=5点(☆☆☆が60点で「可」。合格というか、まあ許せるラインということです)
nice!(7)  コメント(3) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 7

コメント 3

リス太郎

架空の病気。耳虫。(水虫)
by リス太郎 (2019-11-27 08:30) 

wildboar

いいものを読んでしまった。
二つとも観ていないのに内容が分かってしまった。
貴重な時間を費やさずに済んだからから。
by wildboar (2019-11-27 10:38) 

アニマルボイス

私は、時間を浪費してしまいましただぁ・・・。(;_;)
by アニマルボイス (2019-11-27 10:47) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。