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図書館で唖然呆然 [映画・文学・音楽]

 昨日は、「ゆいの森あらかわ」で行われている「プラモデルとパッケージ原画展」に行ってきました。プラモデル制作会社株式会社童友社のパッケージを中心にした原画展。私がまだ若き編集者だった時代イラストをお願いした先生方の原画(もちろん私が依頼したものではありません)がいくつか並んでいて懐かしいものがありました。ただし、撮影禁止なので写真はなし。
 この建物は図書館も併設されているので、ついでに図書も散策。で、そこで衝撃の事実に遭遇。ナント亀山郁夫訳ドストエフスキー「白痴」が1〜3巻まで並んでいるのです。

 亀山郁夫訳ドストエフスキーは「カラマーゾフの兄弟」「罪と罰」「悪霊」と出て、講演やエッセイでも次は「白痴」が予告されていました。もう4年は前のことだったと思います。以来、最低でも月に1回は本屋に行くのでその都度探してみたのですが、ない。ところがすでに出版されていたのです(ネット検索すればすぐにわかったことですが、年寄りは本屋で目当ての本を探すのも楽しみのうちなのでそういうことはしない)。全4冊のはずなので並んでいる3冊を借りてしまおうかとも思ったのですが、編集者としては本はやっぱり買ってほしいし買いたいので、いつもとはちがう本屋で探して買おうと思い借りるのをやめました。
02白痴.jpg
 まあ、それでもせっかくなのでと借りたのがこれ。本当は佐野洋「推理日記」の古いのがないかと探してみたのですが、なかったので紀田順一郎「戦後創世記ミステリ日記」。紀田順一郎は大昔に読んだ「現代人の読書」を思い出すまでもなく、「おたく」の先駆者である。近年のミステリ作品はあまり読んでない私には、あれはそういうことだったのか、と過去の疑問を解消してれるこのての本がちょうどいい(長編小説じゃないので電車の中で適当に読み始め、やめることができるからネ。ドストエフスキー「白痴」じゃあそうはいきません)。
 いろいろな古典ミステリが論じられていますが、61ページに出てくる佐藤春夫の「女人焚死」などにも目配りが利いていて「近来の傑作」なんて書かれているとついうれしくなってしまいます。というのも私、今では話題にもならないこの短編小説をモデルに、作品が書かれた時代(1951年)の「鑑定」は現代ではどう判断されるかという小論を、大学の法医学の試験レポートに書いたからです。それで「優」がもらえたのですから、いい時代でした(^^)/。
01紀田.jpg

★テレビ朝日の深夜に「ディーリー(dele)」というドラマをやっています。ディーリーとは、校正用語で「削除」のことなんだそうですが、活版時代からのアナログ人間である私は未だに「トルツメ」「トルママ」なんて赤字で書き込んでいるような状況で、この言葉を知りませんでした。と言う話はさておき、山田孝之が契約している人間のパソコンが3日間使われていないと、死んだと看做してそのデータを完全消去してしまうという話です。まあ、確かに他人に見られたくないデータってありますよね。エロ動画とか(^^;。という話もどうでもよく、このドラマを見ていて連想したのは「高齢者安全見守隊」隊長middrinn様のことです。もし、このブログが3日間更新されないと死んだと看做されデータは完全消去されてしまうのでしょうか? ひゃぁ・・・、怖いです。おそがいです(^^;。なんまだぶ、なんまだぶ。

★先日、情報公開問題で脅されたので、飼い猫になって「毒饅頭」いただいちゃったんでしょうね。
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2018082601002036.html
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リス太郎

ドストエフスキーの『白痴』は読んだことありません。ドストエフスキーは高校時代、確か仙台育英から来た奴、こいつもかなりのアホですが、読書家で、私は『罪と罰』を勧められ、一気呵成に読んだことがあります。それからドストエフスキーにはまり、かなり読んだはずなのですが、どんな内容だったかは全く覚えておりません。「本はできるだけ書店で買いたい」という気持ちは私も持っており、共感します。
by リス太郎 (2018-08-27 09:06) 

middrinn

高齢者見守り隊は、定時訪問だけでなく声かけも行なっておりましてね、
別の本屋へと走って『白痴』3冊購入or注文しなかったのは足腰の衰え?
by middrinn (2018-08-27 09:22) 

アニマルボイス

「白痴」は、ムイシュキン(主人公)、ラゴージン、ナスターシャ、アグラーヤという4人の双方向矢印にならない恋愛平行四辺形として読めるところがミソですね。ドストエフスキーは読む歳で思い入れ・印象が変わるので、とくに新訳だとそういう楽しみもあります。

「声かけ」感謝。米川正夫訳の全集をもっているので慌てる必要はありません。ここの書店にはあるのかなと探すのも楽しみ。どこにもなければ楽天ブックスかな(AMAZONは会員ではないので)。
by アニマルボイス (2018-08-27 09:50) 

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