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劇場版「アキラとあきら」はドラマの劣化版 [映画・文学・音楽]

 今日は夕方から雨(雪?)になるという予報です。昼にIHさんと食事をする予定なんですが、今の時期年寄りが風邪をひくと大変なことに。防寒とマスクは当然のこととして、降り出す前には帰って来ようと思っています。(^-^)

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 「半沢直樹」「下町ロケット」などの原作で有名な池井戸潤原作の「アキラとあきら」がWOWOWでドラマ化(全9話)され放送されたのは5年ほど前。池井戸ドラマの怒鳴り合いがあまり好きではないのだが、このドラマはそういったところもほとんどなく、出演者も好演でおもしろく見られた。
 それが、昨年、映画化されたので見てみた。
 結論から言って、ドラマ版を見れば十分というか、見る必要もない映画だった。
 同じWOWOWの製作なのだが、そもそも映画の配役のほうがオチルたぁどういうことだ。石丸が同じ役で出ているのはご愛嬌だが、かんじんの主役2人がダメダメ。横浜は冷徹だが冷静さを欠くチンピラ、竹内はがんばっているが知性が感じられない。向井理と斎藤工の2人の主役がそれぞれの生い立ちを窺わせるピッタリの好演だっただけに、主役を比べたこの時点で勝敗は明らか。
 9時間の話を2時間にするわけだからいくつかの話をカットするのはわかるが、主人公の性格付けもドラマ版とは違う味を出したいと考えたのだろうが、うまくいっているとは思えない。ドラマは向井5.5、斉藤4.5くらいの比率で描かれておりW主役というのに異論はないが、映画は横浜3、竹内7なので明らかに竹内が主役。W主演だからこそ生きる「アキラとあきら」というタイトルにも合っていない。
 女も出さなければということで水島カンナという役は映画にも引き継がれたのだが、ドラマ版では意味があったが映画版ではこの女性の存在意義がほとんどない。せっかくの上白石萌歌の無駄使いだ。存在感がないといえば、ドラマの弟役の賀来賢人が兄に対するコンプレックスなどうまく出していて好演なのに対し、映画の髙橋は、そんなのいたっけ?という感じだ。
 終盤、買取先の役員で出てくる沢渡役の上川は口調といい目線の動きといいきびきびしており、いかにも大会社の買取可否の責任者だと思わせる名演技だったが、映画版では印象の薄い凡庸な役で役者の名前もわからなかったし(脇役でよく見る顔なんだが名前を思い出せない。ボケです)、退屈しながら見たせいかなぜ一旦ダメだった契約がOKになったのかもよくわからなかった。
 部長の不動役は確かに江口のほうが有名だが、単なる体育系にしか見えない江口に銀行の本部長が務まるとは思えない。いかにも銀行の実務畑を歩んで来たと思わせる利重には及ばない。せめて「魔が差した」の名文句くらいは引き継ぎたかったと思うのだが、江口の台詞と考えると不自然なので断念したのだろうか。
 要するにキャスト、ストーリー共に映画版「アキラとあきら」は凡庸、ドラマの劣化版。
 見るならドラマ版を見るべし。
 ただし、向井の叔父(向井の父の弟)役の木下ほうかがいろいろあったので、地上波での視聴はまず不可能。思い出したがテレビから消えたTKOの木下も出ていたしね。コンビのもう片方の木本も問題を起こしたし、こういうことで放送がダメになるのはなんとかならないものか。現状では、Hulu、U-NEXT、Paravi、AmazonPrimeなどのネット配信で見るかDVDを購入するしかない。

役名    テレビ   映画
階堂彬   向井理   横浜流星
山崎瑛   斎藤工   竹内涼真
階堂龍馬  賀来賢人 髙橋海人
階堂一磨  石丸幹二  石丸幹二
山崎孝造  松重豊  杉本哲太
水島カンナ 瀧本美織  上白石萌歌
羽根田一雄 永島敏行  奥田瑛二
不動公康  利重剛 江口洋介
沢渡裕行  上川隆也 ?

※JUNKOさんのブログを見るとテレビで放送されている映画を「オイオイ声をあげて泣きながら見」ていたとのこと。1/25のことと思われるが実話に基づく邦画とはいったいどんな映画だったのだろう?と、気になる。→JUNKOさんからのコメントを読むと、どうやら私の推測が当たったようです。気になる人は、コメント欄をごらんください。
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wildboar

そういう泣ける邦画は私も気になります。
by wildboar (2023-01-27 11:33) 

JUNKO

その日のwowowで見たのですからすぐわかりますよ。お涙頂戴なんだけど男性の顔がいい感じ。今時の若い俳優全く関心なかったのだけどこんな人がいるならいいな。アニマルさんなら一刀両断にくだらないと切り捨てますよ。
by JUNKO (2023-01-27 12:03) 

JUNKO

時々予感がしてみて回るんだけど、お尋ねの痕跡ないんですよね。どうしたかわかりません。昨日のはwowowの番組表見たらすぐわかるけどアニマルさんにとっては超幼稚で勘弁してよと言った作品です。
by JUNKO (2023-01-27 15:35) 

アニマルボイス

実話がもとということはもしかして「8年越しの花嫁」かな?
昔見ましたが、この手のものとしては元が実話だけに噓くささがないだけ普通に見られました。彼が毎年式場の予約をしていたなんてところは泣かせますね。
↓実話の結婚式はこちら
https://www.youtube.com/watch?v=vlh5aewBI2w
by アニマルボイス (2023-01-27 15:59) 

JUNKO

アニマルさん、今日も泣いちゃいました。よほど水分余っていたようです。こんなのががあるんですね。実際の新郎も感じがいいのですね。事実は小説よりも奇なりって本当ですね。確かめに寄ってまたいいもの見られてよかったです。ありがとうございます。
by JUNKO (2023-01-27 16:42) 

JUNKO

また泣いちゃいました。
by JUNKO (2023-01-27 16:44) 

アニマルボイス

放出した分、お茶でも飲んで水分しっかりとってくださいね。(^-^)
by アニマルボイス (2023-01-27 18:17) 

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